2003 YN107は、とても小さな地球近傍小惑星の1つである。2003年12月20日にリンカーン研究所のサーベイ (LINEAR) によって、太陽を回る軌道で発見された。直径は約10から30メートルで、流星物質小惑星の分かれ目程度の大きさである。2003 YN107アメリカ航空宇宙局 (NASA) の地球接近天体のリストに載っており、0.0599天文単位まで接近すると見られている。

2003 YN107
仮符号・別名 2003 YN107
分類 地球近傍小惑星
軌道の種類 アテン群
発見
発見日 2003年12月20日
発見者 LINEAR
軌道要素と性質
元期:2012年9月30日 (JD 2,456,200.5)
軌道長半径 (a) 0.989 AU
近日点距離 (q) 0.975 AU
遠日点距離 (Q) 1.003 AU
離心率 (e) 0.014
公転周期 (P) 0.98 年
(359.12 日)
軌道傾斜角 (i) 4.32
近日点引数 (ω) 87.72 度
昇交点黄経 (Ω) 264.43 度
平均近点角 (M) 53.64 度
物理的性質
直径 0.01 – 0.03 km
質量 (~1 – 28) ×106kg
平均密度 2? g/cm3
表面重力 (~3 – 8)
×10−6 m/s2
脱出速度 (~5 – 16)
×10−6 km/s
絶対等級 (H) 26.279
アルベド(反射能) 0.10?
表面温度 ~279 K
Template (ノート 解説) ■Project

この小惑星は、地球のようにほとんど円に近い軌道を描いて太陽の周りを回る。公転周期は地球の1年に極めて近い。最も際立った特徴は、1996年から2006年までの間、地球から0.1天文単位(1,500万km)以下の距離を保ったまま、地球の周りを1年かけてゆっくりと回るように動いていたことである。しかし2003 YN107は地球の第2のにはなりえない。これは、地球と軌道が重なる準衛星と呼ばれる天体のうち、最初に見つかったものである。準衛星としては、他に (10563) イジュドゥバル、(54509) YORP(66063) 1998 RO1(85770) 1998 UP1(85990) 1999 JV6などが挙げられる。

1996年以前や2006年以降は、この小惑星は地球の公転軌道に沿った馬蹄形の軌道を回っていた。これは、2002 AA29の軌道の性質とよく似ている。この種の軌道の変化は、共鳴軌道を回る天体にとってはよくあることらしい。2002 AA29はおよそ600年に1度、準衛星の状態になる。

関連項目

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外部リンク

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