1989年のイギリス・フォーミュラ3選手権
1989年のイギリス・フォーミュラ3選手権 | |||
前年: | 1988 | 翌年: | 1990 |
1989年のイギリス・フォーミュラ3選手権は、3月27日の開幕戦スラクストンから始まり、10月15日の最終戦まで全16戦で競われたイギリス・フォーミュラ3選手権の39年目のシーズン。
概要
編集タイトル争いはマールボロ・ウエストサリー・レーシングのアラン・マクニッシュと、ボウマン・レーシングのデビッド・ブラバムの2人によって争われた。この両者ともラルトのシャーシを使用した。この時点でマクニッシュはF1界にも名が知られており、ジェームス・ハントからも評価されている存在であった[1]。この二人のチャンピオン争いは通常のモータースポーツとは違う戦いも行われた。
ブラバムは第9戦シルバーストンにて、これまで使用してきたフォルクス・ワーゲンエンジンにレギュレーション違反があるとされ失格制定を受ける。ペナルティとして18ポイントがはく奪されることになったが、これに対してチームとブラバムが法廷に不服を申し入れる。その状態でシーズンは進行され、マクニッシュはシーズン終了後チャンピオンを獲得するが、年が変わった1990年初頭の法廷審問の後、ブラバムの名誉が回復される判決が下り、はく奪されたポイントが復活。マクニッシュに対して10点差でブラバムが1989年チャンピオンの称号を与えられた[2]。
この2人の他、後にトップカテゴリーで活躍したドライバーらが同年も多数参戦しており、ミカ・ハッキネン、デレック・ワーウィックの弟であるポール・ワーウィック、日本でも活躍した、ミカ・サロとフィリップ・アダムス、イギリスツーリングカー選手権 (BTCC) で活躍したリカルド・リデルやアラン・メニュらも参戦。田中実、ジャッキー・スチュワートの子息ポール・スチュワートも同年F3デビューした。
チャンピオンシップ順位表
編集順位 | ドライバー | チーム | ポイント |
---|---|---|---|
1 | デビッド・ブラバム | ボウマン・レーシング | 80 |
2 | アラン・マクニッシュ | ウェストサリー・レーシング | 70 |
3 | デレック・ヒギンズ | ウェストサリー・レーシング | 46 |
4 | リカルド・リデル | エディ・ジョーダン・レーシング | 35 |
5 | スティーブ・ロバートソン | ボウマン・レーシング | 27 |
6 | フィリップ・アダムス | ボウマン・レーシング | 23 |
7 | ミカ・ハッキネン | ドラゴン・モータースポーツ | 18 |
8 | アラン・メニュ | Racefaxモータースポーツ | 16 |
9 | オットー・レンシング | ポール・スチュワート・レーシング | 15 |
10 | ポール・スチュワート | ポール・スチュワート・レーシング | 13 |
11 | ジョン・アルコーン | Becsport | 12 |
12 | ゲイリー・アイルズ | ジャック・ブラバム・レーシング | 11 |
13 | ジェイソン・エリオット | ポール・スチュワート・レーシング スワロー・レーシング |
11 |
14 | ミカ・サロ | アラン・ドッキング・レーシング | 10 |
15 | ニクラス・シェーンストロム | スワロー・レーシング | 9 |
16 | ゲイリー・ワード | RGSモータースポーツ | 6 |
17 | ジュリアン・ウェストウッド | Racefaxモータースポーツ | 5 |
18 | ポール・ワーウィック | インタースポーツ | 3 |
19 | ジョン・エストゥピニャン | ボーマン・レーシング | 3 |
20 | アントニオ・シムエス | ドーソン・オートデベロップメント | 3 |
クラスB
編集位置 | 運転者 | チーム | ポイント |
---|---|---|---|
1 | フェルナンド・プラタ | ボウマンレーシング | 89 |
2 | ワーウィック・ルックリン | ボウマン・レーシング | 68 |
3 | スコット・ストリングフェロー | ジム・リー・レーシング | 68 |
4 | エディ・キンベル | ピーター・リー・レーシング | 32 |
5 | クレイグ・シミス | CSエンジニアリング | 27 |
6 | スティーブン・ヘプワース | 個人参戦 | 25 |
7 | ケン・ボウズ | ハイテック・モータースポーツ・デベロップメント | 24 |
8 | チャド・ウェンツェル | ハバード・レーシング | 15 |
9 | リンドロ・ダ・シルバ | スタート・レーシング ハイテック・モータースポーツ・デベロップメント |
10 |
10 | ドミニク・チャペル | ロングリッジ・レーシング | 10 |
11 | チャールズ・リケット | ジム・リー・レーシング | 10 |
12 | ダレン・ショー | マクドナルド・レースエンジニアリング | 7 |
13 | グイド・バシーレ | テロッポル・プロモーション | 6 |
14 | ポール・スミス | テックスピード・モータースポーツ | 5 |
15 | ゲイリー・トーマス | CSエンジニアリング | 4 |
16 | ロブ・ミアーズ | クラム・モータースポーツ | 4 |
17 | クリス・ニーダム | ハイテック・モータースポーツ・デベロプメント | 3 |
18 | ファン・セルダ | ロジャーカウマン・レーシング | 2 |
19 | アラン・タロック | ピーター・リー・レーシング | 1 |
20 | クリス・パーキンス | イギリス空軍モータースポーツ協会 | 1 |
参考文献
編集- ^ ALLAN MCNISH Historic Racing
- ^ “Lunch with... David Brabham” (英語). Motor Sport Magazine. 2020年7月3日閲覧。