1936年ソビエト連邦憲法
1936年ソビエト連邦憲法は、1936年に制定されたソビエト連邦憲法。1924年に制定された初代憲法を置き換えたものであり、スターリン憲法や1936年憲法などとも呼ばれている。
ソビエト社会主義共和国連邦憲法 | |
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原語名 | Конститу́ция (Основно́й Зако́н) Сою́за Сове́тских Социалисти́ческих Респу́блик |
通称・略称 |
ソビエト連邦憲法 Конститу́ция (Основно́й Зако́н) СССР |
国・地域 | ソビエト連邦 |
形式 | 憲法 |
日付 | 1936年12月5日 |
効力 | 1977年憲法に置き換え |
条文リンク | Конститу́ция СССР 1936 года |
概要
編集1936年憲法は1936年12月5日にソビエト連邦政府によって制定された。1936年憲法は、従来の1924年憲法で保障されていた権利に追加して、制限選挙の撤廃、普通直接選挙の採用、労働権などを追加した。
直接選挙は全ての政府機関に適用された。また労働権の他には、休息、余暇、医療保障、高齢者と病人の看護、居住、教育、文化的援助などを含む、集団的な社会的および経済的な権利が明記された。
この憲法はヨシフ・スターリンを議長とする31名の特別委員によって執筆された。参加者にはアンドレイ・ヴィシンスキー、アンドレイ・ジダーノフ、マクシム・リトヴィノフ、クリメント・ヴォロシーロフ、ヴャチェスラフ・モロトフ、ラーザリ・カガノーヴィチ、ニコライ・ブハーリン、カール・ラデックなどがいた[1]。
体制変更
編集1936年憲法は、従来のソビエト大会(ロシア語: Съезд Советов СССР)と中央執行委員会(ロシア語: Центральный исполнительный комитет СССР)を、最高会議と最高会議幹部会に置き換えた。最高会議は連邦会議(連邦院)と民族会議(民族院)の二院制であった。
共産党の指導的役割
編集当憲法で、共産党の役割が初めて明確に定義された。第126条でソビエト連邦共産党は以下のように規定された。
この条項は、ソビエト連邦の組織における全ての他政党禁止(一党制)の正当化に使用された。
信教の自由
編集憲法第124条は信教の自由を保障したが、その導入は党内で多数の反対にあった。124条の追加によって、ロシア正教会の教徒は閉鎖された教会の再開や、特定職種への就業制限の撤廃を嘆願した。また1937年の選挙では宗教系の候補者を出す試みが行われた[2]。
軍と各共和国の再編成
編集1936年憲法の1944年改定で、連邦内の各社会主義共和国に赤軍の支部がそれぞれ設立された。それらは外交や国防のための共和国レベルの兵站部でもあり、国際法上はデ・ジュリ(法令上)の独立国家として認識される余地を残した。この影響でウクライナ・ソビエト社会主義共和国と白ロシア・ソビエト社会主義共和国は、1945年に国際連合総会に創立メンバーとして参加し、ソビエト連邦とは別の1票を得た[3][4][5]。
脚注
編集- ^ "State and Society Under Stalin: Constitutions and Elections in the 1930s," article by J. Arch Getty in Slavic Review, Vol. 50, No. 1 (Spring, 1991). p. 19, 22.
- ^ Fitzpatrick, Sheila. 1999. Everyday Stalinism: Ordinary Life in Extraordinary Times: Soviet Russia in the 1930s. New York: Oxford University Press, 179.
- ^ "Walter Duranty Explains Changes In Soviet Constitution," Miami News, Feb. 6 1944
- ^ League of Nations Timeline - Chronology 1944
- ^ United Nations - Founding Members
関連項目
編集外部リンク
編集- Full Text and All Subsequent Laws Amending the 1936 Constitution of the U.S.S.R.
- English translation of 1936 Constitution
- Stalin and the Struggle for Democratic Reform, by Grover Furr: Part one - Part two