10分間カット
10分間カット(10ぷんかんカット)は、1990年代後半から日本で登場した理容室・美容室の業態。10分カットともいう。格安ヘアカット専門店として営業し、料金を1000円台に設定する店が多いことから1000円カットとも呼ばれる。
概要
編集10分間程度でヘアカットのみを行い、切った髪は洗髪せず掃除機で吸い取り終了する。美容室業態の店舗ではドライヤーで切った髪を吹き飛ばす。シャンプー・ブロー、スタイリングなどは省略されるが、オプション料金を支払うことで追加メニューとして実施する店舗もある。洗髪スペースを設けて散髪後にセルフサービスでシャンプーやスタイリングを行えるようにしている店舗や、自動洗髪機を導入している店舗もある。
料金支払いには自動券売機を導入し、番号札を発券して客を待たせるようにするなど、理美容師がカット作業に専念できるよう工夫されている。またコスト削減のため電子マネー決済を導入したり、釣り銭や両替金を用意していない店舗も存在する。
簡易な設備と比較的安い人件費で済むことから多くの参入があり、近年は価格競争が激化している。10分間のうち実際にカットする時間は6 - 7分程度で、カットプロセスを簡略化・パターン化することにより技術者の修練期間も短縮している。大規模なチェーン店では従業員の動きがマニュアル化されている。
設備を簡略化しているため狭小な敷地でも出店が可能であり、急ぎの客が多い駅前や駅ナカ、買い物の合間に利用できるショッピングセンターなど、理美容室としては立地条件の良い場所に出店する場合が多い。
なお、日本国内では法律等の規制により実現されていないが、海外では1坪程度のスペースに1席分の設備を備え、非営業時には椅子や鏡台を折り畳んで格納できる「シェル型」としての出店もあり、日本よりもさらに小規模で出店することも可能である。
運営企業
編集関連項目
編集脚注
編集参考文献
編集- 林總『美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか ― できるビジネスパーソンになるための管理会計入門』ダイヤモンド社、2008年2月1日。ISBN 978-4-478-00391-6。