1-ヘキサノール
1-ヘキサノール (1-hexanol) は有機化合物のアルコールの一種で、炭素6個の直鎖を持つ、無色の液体。水にはわずかに溶け、ジエチルエーテルやエタノールなどの有機溶媒には易溶。ヒドロキシ基の位置が異なる位置異性体として 2-ヘキサノール、3-ヘキサノールがある。芝を刈ったばかりのときの匂いは 1-ヘキサノールによるといわれる。香料として工業的に用いられる。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[2]。
1-ヘキサノール | |
---|---|
![]() | |
![]() | |
1-ヘキサノール | |
別称 ヘキサノール n-ヘキシルアルコール | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 111-27-3 |
| |
特性 | |
化学式 | C6H14O |
モル質量 | 102.17 g/mol |
示性式 | CH3(CH2)5OH |
密度 | 0.8153 g/cm³ (25 ℃)[1] |
融点 |
-51.6 ℃[1] |
沸点 |
157 ℃[1] |
危険性 | |
引火点 | 63 ℃[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製造
編集1-ヘキサノールはエチレンのオリゴ化により工業的に製造される。トリエチルアルミニウムを用い、ヘキシル鎖が生じたところで酸化処理すると 1-ヘキサノールが得られる[3]。下の式は理想的な反応式であり、実際は他の鎖長のアルコールもともに得られるため分留がなされる。
- Al(C2H5)3 + 6 C2H4 → Al(C6H13)3
- Al(C6H13)3 + 3 O + 3 H2O → 3 HOC6H13 + Al(OH)3
代替法では、1-ペンテンをヒドロホルミル化して得られるヘキサナールを水素化して 1-ヘキサノールとする。この手法ではヘキサノールの位置異性体を含む混合物が得られ、それぞれ可塑剤の原料として利用される[3]。