1-クロロブタン

有機塩素化合物

1-クロロブタンハロゲン化アルキルの一種で、化学式CH3(CH2)3Clで表される可燃性の液体である。n-ブチルクロリド、塩化ブチルとも称する。

1-クロロブタン
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識別情報
CAS登録番号 109-69-3 チェック
PubChem 8005
ChemSpider 7714 チェック
UNII ZP7R667SGD チェック
EC番号 203-696-6
国連/北米番号 1127
DrugBank DB11534
ChEMBL CHEMBL47259 チェック
RTECS番号 EJ6300000
特性
化学式 C4H9Cl
モル質量 92.57 g mol−1
外観 無色の液体[2]
匂い 刺激臭[1]
密度 0.89 g/mL
融点

-123.1 °C, 150 K, -190 °F [2]

沸点

78 °C, 351 K, 172 °F [2]

への溶解度 0.5 g/L (20 °C)[2]
有機溶媒への溶解度 エーテルアルコールに混和[1]
log POW 2.56[3]
蒸気圧 103.4±0.1 mmHg at 25°C[3]
磁化率 -67.10·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.396[3]
粘度 0.4261 mPa·s[4]
危険性
安全データシート(外部リンク) Fischer MSDS
GHSピクトグラム 可燃性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H225
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P280, P303+361+353, P370+378, P403+235, P501
NFPA 704
3
1
1
引火点 −12 °C (10 °F; 261 K) [2]
発火点 240℃[1]
爆発限界 1.8 - 10.1 %[1]
半数致死量 LD50 2200mg/kg(ラット、経口)[1]
関連する物質
関連するハロゲン化アルキル 2-クロロブタン
tert-ブチルクロリド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

製造と反応

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1-ブタノール塩化水素で処理することで製造できる[5]

リチウムと反応させるとn-ブチルリチウムが得られる[6]

2 Li + CH3(CH2)3Cl → CH3(CH2)3Li + LiCl

用途

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フリーデル・クラフツ反応におけるアルキル化剤、防汚塗料・防黴剤・医薬品・ブチルセルロースの原料として使われるほか、有機金属化合物製造時の反応中間体となる[7]。日本の消防法では、危険物第4類第一石油類(非水溶性)に区分される。

脚注

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  1. ^ a b c d e 1-クロロブタン”. 東京化成工業 (2018年10月4日). 2022年2月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e Record 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース
  3. ^ a b c 1-Chlorobutane CAS#:109-69-3”. 2022年2月12日閲覧。
  4. ^ Coursey, B. M.; Heric, E. L. (1971). “AApplication of the Congruence Principle to Viscosities of 1-Chloroalkane Binary Mixtures”. Canadian Journal of Chemistry 49 (16): 2631–2635. doi:10.1139/v71-437. ISSN 0008-4042. 
  5. ^ Copenhaver, J. E.; Whaley, A. M. (1925). “N-Butyl Chloride”. Organic Syntheses 5: 27. doi:10.15227/orgsyn.005.0027. 
  6. ^ Brandsma, L.; Verkraijsse, H. D. (1987). Preparative Polar Organometallic Chemistry I. Berlin: Springer-Verlag. ISBN 3-540-16916-4 
  7. ^ 1-クロロブタン”. 安全データシート(厚生労働省 職場のあんぜんサイト) (2009年3月30日). 2022年2月12日閲覧。