1,2-ジブロモエチレン
1,2-ジブロモエチレン(1,2-Dibromoethylene)またはアセチレンジブロミド(acetylene dibromide)は、2つの炭素原子の各々に1つずつの臭素原子が結合した、二ハロゲン化不飽和化合物である。cis体とtrans体の2つの異性体が存在する。どちらの異性体も無色液体である。
1,2-ジブロモエチレン | |
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(Z)-1,2-ジブロモエチレン
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(E)-1,2-ジブロモエチレン
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1,2-Dibromoethene | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 590-11-4 (Z) , 590-12-5 (E) |
PubChem | 643776 (Z)637929 (E) |
ChemSpider | 558875 (Z) 553502 (E) |
EC番号 | 208-747-6 |
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特性 | |
化学式 | C2H2Br2 |
モル質量 | 185.85 g mol−1 |
外観 | 無色液体 |
密度 | 2.246 g/cm3 |
沸点 |
110 °C, 383 K, 230 °F |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H301, H314, H315, H319, H335 |
Pフレーズ | P260, P261, P264, P270, P271, P280, P301+310, P301+330+331, P302+352, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310, P312 |
主な危険性 | Toxic |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
合成
編集1,2-ジブロモエチレンは、臭素(Br2)によるアセチレン(C2H2)のハロゲン化により合成できる[1]。四ハロゲン化化合物の合成を防ぐために、臭素を限定反応物として過剰量のアセチレンを用いる。
あるいは、このようなハロゲン化は、N-ブロモスクシンイミドと臭化リチウムの2つの等価物を使用することでも達成できる。N-ブロモスクシンイミドは求電子剤としてBr+を提供し、その後、臭化リチウムがBr-を提供する[2]。
出典
編集- ^ “Chapter 9: Addition Reactions of Alkynes”. Organic Chemistry 4e Carey. McGraw-Hill. April 12, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。9 June 2017閲覧。
- ^ Shao, L.-X.; Shi, M. (2006). “N-Bromosuccinimide and Lithium Bromide: An Efficient Combination for the Dibromination of Carbon–Carbon Unsaturated Bonds”. Synlett 2006 (8): 1269–1271. doi:10.1055/s-2006-941558 .