076型強襲揚陸艦
四川級強襲揚陸艦(しせんきゅうきょうしゅうようりくかん、英: Sichuan-class landing helicopter assault)は、中国人民解放軍海軍が建造している強襲揚陸艦(LHA)の艦級。人民解放軍海軍での名称は076型強襲揚陸艦(中: 076型两栖攻击舰)、NATOコードネームはユイラン型(英: Yulan-class landing helicopter assault)と呼称されている[注 1]。
四川級強襲揚陸艦 | |
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基本情報 | |
艦種 | 強襲揚陸艦 (LHA) |
命名基準 | 中華人民共和国の省 |
建造所 | 滬東中華造船 |
運用者 | 中国人民解放軍海軍 |
建造期間 | 2024年 - 現在 |
建造数 | 1隻 |
前級 | 075型 (LHD) |
次級 | (最新) |
要目 | |
満載排水量 | 49,000 - 50,000トン |
全長 | 252m |
幅 | 約43m |
機関方式 | IFEP方式 |
搭載人員 | 1,000人以上の上陸要員 |
兵装 | |
搭載機 |
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搭載艇 | 726型エアクッション揚陸艇×2隻 |
前級である075型と比較すると、076型は排水量と飛行甲板が大幅に大きくなり、航空機運用能力の強化が推測される。また、無人戦闘攻撃機(UCAV)を効率よく運用するための電磁式カタパルトとアレスティング・ギアが搭載されると予想される。
開発経緯
編集2020年中頃、076型に関連する公式提案依頼書(RFP)がインターネット上で発見された。
設計
編集076型には、全通飛行甲板、航空機用格納庫、ウェルドック、二つ航空機用エレベーター、複数の兵装用エレベーターがある。艦橋構造物には、前後に分かれた「ツイン・アイランド」方式が採用された。[2]この艦はヘリコプターや無人偵察機、またはオプションで有人航空機の運用を目的としている。WZ-7、GJ-11、飛龍2型無人偵察機などの搭載が想定される航空機は、航空母艦「福建」に搭載されているものと同サイズの電磁カタパルトから発進できるとされている。船尾には、上陸用舟艇やエア・クッション型揚陸艇が収容できるウェルドックが設置される。
2023年12月、武漢市にある実物大の空母モックアップに、GJ-11あるいはその発展型と見られる機体のモックアップが設置されていることが衛星画像から確認された。軍事ライターのトーマス・ニューディックは、これは実験段階に過ぎないものの人民解放軍海軍にGJ-11が配備される可能性があると指摘している。
比較表
編集 アメリカ級 フライト1 |
076型 | 075型 | トリエステ | フアン・カルロス1世 | ミストラル級 | ||
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船体 | 満載排水量 | 45,000 t | 49,000 - 50,000 t | 36,000 - 40,000 t | 38,000 t | 27,082 t[注 2] | 21,500 t |
全長 | 257.3 m | 252 m | 232 m | 245 m | 230.82 m | 210 m | |
全幅 | 32.3 m | 43 m | 36 m | 32 m | |||
機関 | 方式 | CODLOG | IFEP | CODAD | CODOG+電気推進 | CODAGE | ディーゼル・エレクトリック |
出力 | 70,000 hp | 不明 | 65,000 hp | 102,000 hp | 29,500 hp | 19,040 shp | |
速力 | 22 kt | 不明 | 22 kt | 25 kt | 19.5 kt | 18.8 kt | |
兵装 | 砲熕 | ファランクスCIWS×2基 | H/PJ-11 CIWS×2-3基 | 76mm単装砲×3基 | 20mm機関銃×4基 | 30mm単装機関砲×2基 | |
12.7mm連装機銃×7基 | 25mm単装機関砲×3基 | 12.7mm機関銃×2基 | 12.7mm機関銃×4基 | ||||
ミサイル | ESSM 8連装発射機×2基 | HHQ-10 18連装発射機×2-3基 | VLS×16セル (アスターまたはCAMM) |
- | SIMBAD 2連装発射機×2基 | ||
RAM 21連装発射機×2基 | |||||||
航空運用機能 | 飛行甲板 | 全通(STOVL対応) | 全通[注 3] | 全通 | スキージャンプ勾配つき全通 | 全通 | |
搭載機数 | F-35B×6機 | 不明 | ヘリコプター×30機 | F-35B×4-8機 | AV-8B×10機 ※将来はF-35Bも考慮 |
ヘリコプター×16機 | |
ヘリコプター×20機以上 | ヘリコプター×6-9機 | ヘリコプター×12機 | |||||
輸送揚陸機能 | 舟艇 | LCAC-1級×2隻 | LCAC×2-3隻 | 70 t LCU×4隻 またはLCAC-1級×1隻 |
LCM-1E型×4隻と複合艇×4〜6隻 またはLCAC-1級×1隻 |
LCM×8艇 LCU×2艇またはLCAC-1級×2隻 | |
上陸部隊 | 約1,900名 | 1,000名以上 | 約1,600名 | 1,043名 | 902名 | 短期:900名、長期:400名 | |
同型艦数 | 9隻予定 | 不明 | 3隻(5隻計画中) | 1隻 | 1隻(準同型3隻[注 4]) | 3隻(準同型2隻[注 5]) |
同型艦
編集2024年時点で1隻が艤装中なのが確認されている。
# | 艦名 | 建造所 | 進水 | 就役 | 配備先 | |
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1 | 51 | 四川 (Sichuan) |
滬東中華造船(集団) | 2024年 12月27日 |
脚注
編集注釈
編集- ^ 漢字文化圏での表記は「玉蘭」「玉瀾」がみられるが、まだ一定していない。
- ^ 揚陸艦任務
- ^ 電磁式カタパルトとアレスティング・ギアの搭載が予想される。
- ^ オーストラリア海軍のキャンベラ級強襲揚陸艦とトルコ海軍の「アナドル」
- ^ エジプト海軍の「ガマール・アブドゥル=ナーセル」と「アンワル・アッ=サーダート」
出典
編集- ^ “中国海軍、新たな強襲揚陸艦の進水式行う…台湾上陸作戦で使用想定との見方広がる”. 日本テレビ (2024年12月27日). 2024年12月27日閲覧。
- ^ “空母だろ!? 中国海軍の新たな巨艦「四川」誕生 カタパルト装備で艦載機モリモリ!”. 乗り物ニュース (2024年12月28日). 2024年12月28日閲覧。