-196℃ ストロングゼロ
-196℃ ストロングゼロ(マイナスひゃくきゅうじゅうろくど ストロングゼロ)は、サントリースピリッツが製造し、サントリー酒類(2代目法人)が販売しているストロングシリーズのチューハイである。
-196℃ ストロングゼロ | |
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基本情報 | |
種類 | チューハイ |
度数 | 9% |
発泡 | あり |
主原料 | ウォッカ |
副原料 |
香料 甘味料 (アセスルファムK・スクラロース) 酸味料 |
原産国 | 日本 |
製造元 | サントリースピリッツ |
販売元 | サントリー酒類(2代目法人) |
詳細情報 |
商品開発
編集RTDと呼ばれる、開封してすぐ飲めるアルコール飲料の分野では、2001年発売開始のキリン「氷結」が先行していた[1]。サントリーでは2003年発売の「カロリ。」が若者や女性を取り込み、次いで2005年には極低温で凍結・粉砕した果実を使用した「-196℃」を発売開始した[2]。「-196℃」の開発は、居酒屋で飲む生搾りチューハイは何故美味しいのか、という疑問から始まった。レモンやグレープフルーツを絞った際に果皮に含まれる成分から生じる香りが鍵であることにたどり着き、果実を皮ごと液体窒素で瞬間凍結・粉砕してウォッカに浸す「-196℃製法」を考案した[3]。この製法は、2011年に特許を取得している[注釈 1]。
2008年のリーマン・ショック後のデフレ傾向や、飲酒運転厳罰化による家飲み志向への流れを受け、2009年2月に-196℃製法を活かした「-196℃ ストロングゼロ」を発売開始した。当初のアルコール度数は8%で、1本で十分酔えること、また糖類ゼロであることから、主に30代・40代男性から高評価を得た[2]。その後、女性客の購入が増加しているとの調査から2011年に梅とブドウを使った製品を投入。さらに、食事に合う甘くないタイプの商品として、ライムと7種類の原料酒を使用した「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」を発売開始した[4]。2014年12月からは、「-196℃ ストロングゼロ ダブルレモン」のアルコール度数を8%から9%に引き上げた[5](他の味の商品も順次9%に引き上げ)。2016年2月に、レモンのピールを使用した「-196℃ ストロングゼロ〈ビターレモン〉」を限定発売。ダブルレモンと同じくレモン系の商品となるが、ピールを使うことで甘くなくほろ苦いという違いを出し、同年7月からはダブルレモンと併行して通年発売に切り替えた[6][7]。
販売数量
編集前身商品である「-196℃」の販売数量(250ml×24本換算)は1068万ケース。ストロングゼロ発売初年の2009年は1452万ケース。2008年以降連続して販売数量が増加し、2017年には3768万ケースを記録した[3]。
広告
編集発売当初は、プロレスラーの蝶野正洋を起用。
2011年からは、女性のニーズに着目し、天海祐希を起用した。
2020年10月19日、岡田准一と神木隆之介を起用した、TV-CM『あたらしいつよさ。文句は世界を変えられる?』篇がオンエア。
2022年10月からは、千鳥を起用。
反応
編集2017年頃よりTwitterでは、名作文学に「#ストロングゼロ」を登場させるツイートが「#ストロングゼロ文学」として流行し(インターネット・ミームの一種)、NHK「ニュースウォッチ9」にも取り上げられた[8]。
医師で国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長の松本俊彦は自身のFacebook上で、本商品を含めたアルコール度数が9%程度の「ストロング系」と呼ばれるチューハイに関して「『危険ドラッグ』として規制した方がよいのではないか」等の批判を行って話題となった[9][10]。
関連項目
編集- M-1グランプリ - 第12回大会(2016年)でサントリーが「プレミアムスポンサー」に参加し、第13回大会(2017年)から優勝者に副賞として「-196℃ストロングゼロ1年分」を贈呈している。ネット上では「ストロングゼロ1年分」が話題となり[11]、2018年、2019年大会の放送時に、「ストロングゼロ1年分」がツイッター上でトレンド入りした[12]。
- 怪獣酒場 - 2019年7月19日 - 9月1日に東京・赤坂サカスにてコラボイベント『怪獣酒場 ㏌ ストロングゼロ チューハイガーデン』を開催。
- ちいかわ - 登場キャラクターの「くりまんじゅう」が作中で度々愛飲している。
- VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた - 登場キャラクターの「心音 淡雪」が作中で度々愛飲している。
脚注
編集注釈
編集- ^ 特許番号第4892348号「アルコール浸漬物またはそれを用いた食品もしくは飲料およびその製造方法」特許権者サントリーホールディング株式会社。
出典
編集- ^ “【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」 (6/8ページ)”. Sankei Biz: p. 6. (2014年1月13日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ a b “【開発物語】サントリー酒類「-196℃ ストロングゼロ〈DRY〉」 (2/8ページ)”. Sankei Biz: p. 2. (2014年1月13日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ a b “1本で酔える!「高アルコール飲料」の吸引力 サントリー「ストロングゼロ」誕生の舞台裏”. 東洋経済ONLINE: p. 2. (2018年4月20日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ “あの人気商品はこうして開発された -196℃ ストロングゼロ、ストロングゼロ〈DRY〉”. 中小企業基盤整備機構 (2014年3月5日). 2018年5月23日閲覧。
- ^ 『「-196℃ ストロングゼロ」〈ダブルレモン〉〈ダブルグレープフルーツ〉リニューアル新発売』(プレスリリース)サントリー、2014年10月7日 。2018年5月23日閲覧。
- ^ “【21世紀を拓く 知の創造者たち】「ストロングゼロ」の挑戦 (2/5ページ)”. Sankei Biz: p. 2. (2017年2月7日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ 『「-196℃ ストロングゼロ〈ビターレモン〉」通年商品として新発売』(プレスリリース)サントリー、2016年5月17日 。2018年5月23日閲覧。
- ^ “Twitterの流行「ストロングゼロ文学」 サントリーの反応、売り上げへの影響は”. ねとらぼ (2018年1月19日). 2018年5月23日閲覧。
- ^ “ストロング系チューハイは“酒ではなく薬物”なのか? 精神科医が依存&健康リスクに警鐘”. Business Journal (2020年6月27日). 2020年6月27日閲覧。
- ^ “危険ドラッグとまで指摘された「ストロング系チューハイ」、なぜ税率が低いのか”. 税理士ドットコム (2020年1月13日). 2020年2月11日閲覧。
- ^ “「人生を終わらせるのに十分な量だと思う」M-1優勝のとろサーモンに送られるストロングゼロ1年分が緩やかな殺害予告でしかない”. Togetter. 2021年1月11日閲覧。
- ^ “M−1副賞で“ストロングゼロ1年分”がトレンド入り 「365本とは限らない」”. しらべぇ. (2019年12月23日) 2021年1月11日閲覧。