BLACK KNIGHT バット
『BLACK KNIGHT バット』(ブラックナイト バット、BLACK KNIGHT BAT)は、寺沢武一による日本の漫画。『コブラ』連載終了翌年の『週刊少年ジャンプ』(集英社)1985年7月15日号(31号)から、同誌の創刊17周年記念の新連載第1弾として連載開始され、全10回が掲載された。第1回巻頭カラー部分をコンピュータグラフィックで描くという、当時としては画期的な試みがなされた。手法としては原画をイメージスキャナで読み込み、マウスを使って8色でドットごとに着色するというもので、PC-9801をベースに独自構築したシステムによるものであった[1][2][3]。
1996年7月からソフトバンク「INTERNET LABO」にて、フルカラーCG化しての日本語版と英語版のインターネット連載が始まり[4][5]、翌年10月にはWindows 95&Macintosh対応のCD-ROM版が発売された。
タイトル表記
編集書誌情報にあるように、発表時期などによってタイトル表記が異なっている。最初に刊行されたジャンプ・コミックスデラックス版では、「BLACK KNIGHT バット」のタイトル表記が用いられているが、本作の第1話が掲載された『ジャンプ』1985年7月15日号(31号)表紙のタイトル表記は「黒騎士バット」である。この「黒騎士バット」表記は寺沢武一公式サイトでも使われている[1]。また、『ジャンプ』1985年31号に掲載された第1話の扉ページの紹介文でも使われているが、「黒騎士」の部分には「ブラックナイト」とルビが振られている。カタカナ表記の「ブラックナイト・バット」は、寺沢武一公式ページの作品紹介ページをwebブラウザに表示したときにこのように表示されている[2]ほか、第2話が掲載された『ジャンプ』1985年32号表紙では「ブラックナイト」を小書きにして2行組み表記で用いている。後年刊行されたメディアファクトリー版では英語表記で「Black Knight BAT」、ソフトバンクおよび集英社で刊行されたフルカラー版ではすべて大文字による英語表記の「BLACK KNIGHT BAT」が用いられている。
ストーリー
編集17歳となったバット・デュランは異世界レインボーリアに帰還する。自分の母が宇宙を旅する星「星船(スターシップ)」の女王であったことを知ったバットは、女王の後を継いで、お供の四銃士(ローン・ウルフ、アイアン・ブル、ジェット・モンキー、フー・チェン)と共に、星の平和を守るため、サンダーソードを携えて日々奔走する。
収録作品数の違いについて
編集作品の成立事情により、雑誌連載時(10編)、モノクロ単行本(13編)、カラー単行本(7編)において収録作品数が異なる。
雑誌掲載時の掲載作品数は以下の10編である。
- 『星船(スター・シップ)』発進!
- 炎魔(エンマ)ゴルゴン登場!
- 氷の指輪を捜せ!
- 禁断の実はどんな味!?
- イワン七世
- チェックメイトシティ
- ファイヤードラゴン
- 権力のメガネ
- 怒りの雲
- 王位を脅かす者
最初の単行本である1986年の集英社版では、雑誌連載時の作品に加えて雑誌未掲載の5編が追加されている。
- 黒騎士バット(「 『星船』発進!」「炎魔ゴルゴン登場!」「氷の指輪を捜せ!」を合わせたもの)
- 時のなる木(「禁断の実はどんな味!?」改題)
- チェックメイトシティ
- 電話開通(雑誌未掲載)
- 美の収集家(雑誌未掲載)
- 権力のメガネ
- ファイヤードラゴン
- イワン七世
- 聖者が町にやってくる(雑誌未掲載)
- 怒りの雲
- 魔女マリア・デュラン(前編)(「王位を脅かす者」改題)
- 魔女マリア・デュラン(後編)(雑誌未掲載)
- バットの裁判(雑誌未掲載)
最初のフルカラー版である1997年のソフトバンク版は、着色されてインターネットで連載された以下の7編を収録する。
- 黒騎士登場(「黒騎士バット」)
- チェックメイトシティ
- 時のなる木
- 電話開通
- 怒りの雲
- イワン七世
- 権力のメガネ
書誌情報
編集書名については奥付の表記を採用
モノクロ版
編集- 『BLACK KNIGHT バット』集英社、1986年
- 『バット』スコラ、1990年(一部カラーページあり)
- 『Black Knight BAT』メディアファクトリー、2010年
フルカラー版
編集- 『BLACK KNIGHT BAT』ソフトバンク、1997年
- 『BLACK KNIGHT BAT 黒騎士バット』集英社、2002年
書籍以外
編集脚注
編集- ^ 「コミック新世紀!!マンガにもCG時代がやってきたっ!!」(『週刊少年ジャンプ』1985年7月15日号記事、pp.9-11)
- ^ 寺沢武一 履歴
- ^ ブイチギルド【寺沢武一作品公式】 [@BuichiGuild] (2023年10月2日). "「下絵は手で描いて、初代のPC-9801を使って、コマごとにスキャン。それから8色でほとんどドットごとに色を着けていき、最終的にはディスプレイを写真に撮って入稿…」". X(旧Twitter)より2024年6月6日閲覧。
- ^ Manga Magic Museum|寺沢武一プロフィールより。
- ^ のちに配信先はZDNet Japanに移動した。参考記事:「インターネット上のコンピュータ専門誌「ZDNet Japan」を9月1日創刊」(1997年6月)
- ^ マンガROM『BLACK KNIGHT BAT』(2020年6月4日閲覧)
外部リンク
編集- ブラックナイト・バット - buichi.com