山の下の地形が平坦な場所

(ふもと、英語: foothills, piedmont)は、山体の基部で、丘陵高地などの下部で標高がゆるやかに増加しはじめる部分、すなわち、平野と山・丘陵・高地との間の移行地帯である[1]山麓(さんろく)[2]裾野(すその)、山すそなどともいう。

富士山の西の麓の朝霧高原を望む(毛無山からの眺望)。
イタリア南部のナポリの町は噴火が止んだヴェスヴィオ山の麓まで伸びている。
スイスの山すそでは放牧が行われている。

山の上部の頂(いただき)や頂上、中部の山腹や中腹に対する言葉である。麓と山腹の境界は、傾斜が急に変わる地点として明瞭に表れることが多い[3]

多くの場合、麓は扇状地開析台地英語版で構成されている。

山の麓には山頂からの方角によって、北麓・南麓・東麓・西麓などという。山麓には山からの水を集めた湖、草木が茂る草地・山林があったり、丘陵や高原になっていたり、観光用道路が敷かれたり、村や町がある場合もある。林業放牧、湖や湧き水を利用した漁業高原野菜作りなどの産業もある。

ピードモント

編集

英語で麓を意味する"piedmont"(ピードモント)は、ロマンス語で「山の足」(foot of the mount)を意味する言葉を語源とする[4]。アメリカ合衆国・アパラチア山脈の麓にはピードモント台地がある。イタリア語では「ピエモンテ」となり、アルプス山脈の麓にはピエモンテ州がある。

脚注

編集
  1. ^ Easterbrook, Don J. (1999). Surface Processes and Landforms (second ed.). Upper Saddle River, New Jersey: Prentice Hall. p. 530. ISBN 978-0-13-860958-0 
  2. ^ 山麓さんろく(コトバンク)
  3. ^ 日下哉『図解日本地形用語事典第2版』東洋書店、2002年、110頁。ISBN 4885954568 
  4. ^ "piedmont". Oxford English Dictionary (3rd ed.). Oxford University Press. September 2005. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)

参照項目

編集

外部リンク

編集