新潟県立鳥屋野潟公園(にいがたけんりつとやのがたこうえん)は、新潟県新潟市中央区にある県立の都市公園(広域公園)である[1]

地図
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女池地区(めいけちく)、鐘木地区(しゅもくちく)、スポーツ公園(スポーツこうえん)の3つのエリアで構成されている。各エリアは独立しており、アクセス方法も管理棟も別々である。

沿革

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1973年度より県主導で整備され、1986年4月に県内初[2]の県立都市公園として、現在の鐘木地区の一部にあたる4.3 haがオープンした[3][4]。1992年には新潟県立図書館が整備された。

これとは別[5]に1980年代後半、高速道路整備後の鳥屋野潟南部地域の乱開発や環境悪化が懸念されたことを契機とし、県・市・亀田郷土地改良区が協力して鳥屋野潟南部開発計画を策定し、200 ha超の敷地に総合スポーツゾーン、総合レクリエーションゾーン、住居ゾーン、国際文化・教育ゾーンの4ゾーンを設けて開発推進することを合意[6][7][8]。このうち総合スポーツゾーンは2009年の新潟国体に向けて整備されることとなり[9]、1991年に鳥屋野潟公園計画区域に追加する都市計画変更が行われた[10]。1998年に全国都市緑化フェア「にいがた緑のものがたり’98」の会場となったのち[11]、2001年に新潟スタジアム(ビッグスワン)、2009年に新潟県立野球場がそれぞれオープンした。国際文化・教育ゾーンについては、国際農業研究センター(ICAS)を中核とする計画[12][9]や水田高度利用研究センターの整備計画[13]があり、また総合レクリエーションゾーンについては大手流通業者が構想を練っていた[5]がいずれも実現しなかった。

なお、1970年代からの当初の整備計画は土地をめぐる訴訟問題により[注 1]、1980年代後半からの開発計画のうち民間開発部分は買い手不足により[8]、それぞれ難航する場面があった。

鐘木地区

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新潟県立鳥屋野潟公園
(鐘木地区)
 
鐘木地区エントランス広場
分類 都市公園(広域公園)
所在地
座標 北緯37度52分49.9秒 東経139度2分47.2秒 / 北緯37.880528度 東経139.046444度 / 37.880528; 139.046444
面積 14.4 ha
開園 1986年(昭和61年)
運営者 (株)アール・ケー・イー[17]
駐車場 235台
公式サイト 新潟県のサイト(鐘木地区)
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鳥屋野潟の南西部に位置する、園地面積14.4haの地区。園地東側はスポーツ公園の北地区の園地と接しており、徒歩等による回遊も可能である。(株)アール ・ケー・イーが指定管理者として運営管理を行っている。

主な施設

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  • 鐘木インフォメーションセンター・四季彩館
  • 日本庭園
  • せせらぎ(人工河川)
  • メイン広場
  • 多目的広場
  • 花見広場
  • トリムの森
  • ユキツバキ園
  • 観察池
  • みはらしハウス
  • 鳥観庵
  • 遊具
  • 駐車場
    • 大型車   9台
    • 普通車  235台
    • 身障者用  2台

周辺施設

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交通アクセス

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その他

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女池地区

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新潟県立鳥屋野潟公園
(女池地区)
 
女池地区エントランス広場
分類 広域公園
所在地
座標 北緯37度53分26.7秒 東経139度3分2.5秒 / 北緯37.890750度 東経139.050694度 / 37.890750; 139.050694
面積 6.6 ha
運営者 アール・ケー・イー[17]
駐車場 207台
公式サイト 新潟県のサイト(女池地区)
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鳥屋野潟の北部、他の2エリアの対岸に位置する。新潟県立自然科学館新潟県立図書館が園内にある。

2013年(平成25年)度より株式会社アール・ケー・イーが指定管理者として運営管理を行っている。

主な施設

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  • 女池インフォメーションセンター
  • 出会いの丘(巨大パーゴラ)
  • しらべの小径
  • 水辺の広場
  • 展望台
  • 駐車場

周辺施設

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交通アクセス

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  • 新潟交通 S5 女池線(新潟駅南口、市役所前等発着)ほか 「野球場・科学館前」バス停より徒歩約8分
  • 磐越自動車道・新潟中央ICより車で約5分
  • 国道8号(新潟バイパス)桜木ICより車で約3分・女池インターチェンジより車で約5分

スポーツ公園

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新潟県立鳥屋野潟公園
(スポーツ公園北地区・南地区)
 
カナール
分類 広域公園
所在地
座標 北緯37度53分3.1秒 東経139度3分41.3秒 / 北緯37.884194度 東経139.061472度 / 37.884194; 139.061472
面積 59.3 ha
運営者 アルビレックス新潟・都市緑花センターグループ[17]
駐車場 680台
公式サイト 新潟県のサイト(スポーツ公園)
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鳥屋野潟の南部中央一帯に位置し、新潟スタジアムなどが所在する北地区と、県立野球場などが所在する南地区の2地区から成る。北地区の園地は、西側の鐘木地区の園地と接しており、徒歩等による回遊も可能である。株式会社アルビレックス新潟、公益財団法人新潟県都市緑花センター(アルビレックス新潟・都市緑花センターグループ)が指定管理者として運営管理を行っている。

その他

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  • 単に「鳥屋野潟公園」と言った場合は鐘木地区を指すことが多く、スポーツ公園地区に関しては「新潟県スポーツ公園」もしくは「スポーツ公園」が通称として用いられる。
  • 新潟スタジアム・新潟県立野球場の新潟県都市公園条例上における正式名称は、それぞれ「新潟県立鳥屋野潟公園新潟スタジアム」「新潟県立鳥屋野潟公園野球場」であるが、両施設ともスポーツ公園内に所在する。
  • 新潟市の1981年時点の将来構想では鳥屋野潟周辺地区は巨大な文化地帯「スコーレ・ゾーン」として位置づけられていた[18]

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 陸地の一部を湖底の浚渫土を用いた埋め立てにより整備を行い、その際に土地区画整理事業による換地を行う計画であったが、計画発表と前後して湖底地の買い占めが起こり、1981年[14]から旧地権者との間で所有権をめぐる訴訟問題が発生(かつて湿地帯であったため湖底でありながらも地権者が存在)[15][16]

出典

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  1. ^ 新潟県都市公園条例
  2. ^ “新潟県立鳥屋野潟公園きょう一部が開園。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1986年4月11日) 
  3. ^ 森と湖の大規模公園に 鳥屋野潟整備計画案を発表」(PDF)『市報にいがた』第364号、新潟市、1973年3月5日、1頁。 
  4. ^ 鳥屋野潟公園が11日にオープン」(PDF)『市報にいがた』第997号、新潟市、1986年4月6日、2頁。 
  5. ^ a b “浦浜開発が控訴取り下げ、鳥屋野潟整備ようやく始動―新潟県、年明けから意向調査。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1990年12月2日) 
  6. ^ “亀田郷土地改良区理事長佐野藤三郎氏―新潟・鳥屋野潟南部の開発(焦点を聞く)”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1987年9月11日) 
  7. ^ “鳥屋野潟スポーツゾーン、国際大会も可能―80ヘクタールにラグビー場など。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1991年1月15日) 
  8. ^ a b 松浦裕馬、越澤明、坂井文「新潟駅南開発と鳥屋野潟南部開発の経緯と特色」『日本建築学会技術報告集』第20巻、2014年、295-298頁、doi:10.3130/aijt.20.295 
  9. ^ a b “新潟・鳥屋野潟に国際農業研究センター構想―「教育研究」など5ゾーン。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1990年6月15日) 
  10. ^ 鳥屋野潟南部開発計画 概要”. 新潟市. 2022年1月21日閲覧。
  11. ^ にいがた緑のものがたり'98 第15回全国都市緑化にいがたフェア」(PDF)『市報にいがた』第1630号、新潟市、1998年5月24日、2-3頁。 
  12. ^ “新潟に国際農業研究センター―1兆円投入、環境・食料・人口テーマ。”. 日本経済新聞: p. 5 朝刊. (1990年6月15日) 
  13. ^ “鳥屋野潟南部開発、県・新潟市・亀田郷土地改良区、2ゾーンの事業化調査着手。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1992年11月5日) 
  14. ^ “鳥屋野潟訴訟で新潟地裁、“田中金脈”に判断示さず―ファミリー、事実上敗訴。”. 日本経済新聞: p. 19 夕刊. (1989年3月24日) 
  15. ^ “鳥屋野潟公園事業、訴訟長期化で推進に影響―複雑化する所有権。”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (1989年3月25日) 
  16. ^ “「田中金脈」の河川敷、77ヘクタールを新潟県に寄付。”. 日本経済新聞: p. 27 朝刊. (1995年2月8日) 
  17. ^ a b c 指定管理者制度について
  18. ^ 広大な文化地帯 鳥屋野潟に建設」『市報にいがた』都市問題懇談会提言特集号、新潟市、1981年2月11日、4頁。 

外部リンク

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