鳥の小スケッチ
『鳥の小スケッチ』(とりのしょうスケッチ、フランス語: Petites esquisses d'oiseaux)は、オリヴィエ・メシアンが1985年に作曲したピアノ曲。6曲から構成される小曲集で、演奏時間は全曲で15分ほど。
概要
編集1985年の夏にイゼール県プティシェの山荘で作曲された[1]。1970年の『ニワムシクイ』から15年ぶりのピアノ曲で、ピアノ独奏曲としてはメシアン最後の作品になった。
『鳥のカタログ』や『ニワムシクイ』のような複雑で技巧的な作品と異なり、晩年の『鳥の小スケッチ』では各曲に登場する鳥は1種類で、鳥の歌以外には色彩和音のコラールのみが出現する[1]。
1987年1月26日にパリのテアトル・ド・ラ・ヴィル (Théâtre de la Ville) で開かれたアンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏会で、イヴォンヌ・ロリオによって初演された[2][3]。
構成
編集6曲からなるが、奇数番目の曲はいずれもヨーロッパコマドリの歌にもとづき、ときどき出現する非常に速い下降音型が特徴的である。
脚注
編集- ^ a b ヒル & シメオネ 2020, p. 166.
- ^ ヒル & シメオネ 2020, pp. 172–173.
- ^ ヒル & シメオネ 2020, p. 作品目録059.
参考文献
編集- ピーター・ヒル、ナイジェル・シメオネ 著、藤田茂 訳『伝記 オリヴィエ・メシアン(下)音楽に生きた信仰者』音楽之友社、2020年。ISBN 9784276226029。