コミック高岡(コミックたかおか)は東京神保町2019年まであった漫画専門店

コミック高岡(2015年6月)

新刊漫画書店として神保町随一の知名度とボリュームを誇り[1]、大手出版社のメジャーな作品はもとより[2]、マニアックな作品も押さえた品揃えで漫画愛好家から評判が高く[3]、「オタク聖地」と呼ばれた[4]東京メトロおよび都営地下鉄神保町駅がある神保町交差点から靖国通りを東へ徒歩1分という好立地にあり[3]、黄色いファサードが書店街の中でもよく目立っていた[2]

この書店は「高岡書店」として1880年岐阜県出身の高岡安太郎と弟の寅次郎により古書店として開業し、のち出版業にも進出、秋山武太郎桑木彧雄の著による学習参考書を中心に刊行した[5]。しかし太平洋戦争による企業整備令により廃業、1948年合資会社高岡書店として新本屋を再開、1979年にコミック専門店に転じた[6]

以来コミック専門店の草分け的存在となったが[4]2010年代には出版不況電子書籍の普及で経営不振に陥り、2019年3月31日を以って閉店した[3]。その直後、5月23日〜8月26日に大英博物館で開かれた、日本の漫画をテーマにした博覧会「The Citi exhibition Manga」にて、漫画体験のありようを示す展示の一部として、コミック高岡の店内写真パネルが設置された[7]

脚注

編集
  1. ^ 「また一つの時代が終わる」 神保町の老舗「コミック高岡」、100年の歴史に幕”. Jタウンネット 東京都 (2019年2月7日). 2019年9月11日閲覧。
  2. ^ a b 出版業界事情:コミック専門の高岡書店が閉店=永江朗”. 週刊エコノミスト Online (2019年3月22日). 2019年9月11日閲覧。
  3. ^ a b c コミック高岡:神保町の老舗マンガ専門店が3月末に閉店 100年以上の歴史に幕”. MANTANWEB (2019年2月6日). 2019年9月11日閲覧。
  4. ^ a b 3月末で閉店する神保町の老舗マンガ専門店「コミック高岡」が"オタクの聖地"と呼ばれた理由”. 週プレNEWS (2019年3月19日). 2019年9月11日閲覧。
  5. ^ 藤井誠治郎『回顧五十年』191-192頁、私家版、1962年。
  6. ^ 『東京古書組合五十年史』466頁、東京都古書籍商業協同組合、1992年。
  7. ^ 大英博物館で国外最大規模のマンガ展、「ゴールデンカムイ」ほか約70タイトル”. マイナビニュース (2019年4月25日). 2019年9月11日閲覧。