飯野由里子
飯野 由里子(いいの ゆりこ、1973年 - )は、日本のフェミニズム研究者。専門はジェンダー、セクシュアリティ、ディスアビリティ研究。東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任准教授[1]。学位は博士(比較文化)。「ふぇみ・ゼミ:ジェンダーと多様性をつなぐ フェミニズム自主ゼミナール」運営委員[2]。 ファイ・ベータ・カッパ(Phi Beta Kappa)会員。
略歴
編集1999年、ワシントン州立大学(Washington State University)、Bachelor of Sociology取得(スマ・コム・ラウデ)。2001年8月、城西国際大学大学院人文科学研究科(女性学専攻)修士課程修了。修士(女性学)[3]。2004年10月、城西国際大学大学院人文科学研究科(比較文化専攻)博士課程満期退学[4]。2007年9月、論文「レズビアンである<わたしたち>のストーリーを読みなおす:レズビアン・ミニコミ誌を素材に」によって城西国際大学より博士(比較文化)の学位を取得[5]。 その後、東京大学、大妻女子大学、早稲田大学、日本女子大学非常勤講師を経て[6]、2012年から東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任研究員。同センター特任助教を経て、2022年4月より現職。
研究業績
編集単著
編集- 『レズビアンである〈わたしたち〉のストーリー』生活書院、2008年。ISBN 978-4-903690-21-6
共著
編集- (川島聡・西倉実季・星加良司)『合理的配慮:対話を開く、対話が拓く』有斐閣、2016年。ISBN 978-4-641-17422-1
- 菊地夏野、堀江有里、飯野由里子、赤枝香奈子、清水晶子ほか 著、菊地夏野、堀江有里、飯野由里子 編『クィア・スタディーズをひらく2』晃洋書房、2022年3月30日。ISBN 978-4771035607。
- (星加良司・西倉実季)『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』生活書院、2022年。ISBN 978-4-86500-142-6
- (清水晶子・ハントンヒョン)『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』有斐閣、2022年。ISBN 978-4-641-17477-1
翻訳
編集- キャシー・ブラック『癒しの説教学:障害者と相互依存の神学』(川越敏司・飯野由里子・森壮也訳)教文館、2008年。ISBN 978-4-7642-6673-5
- ジェイン・ピルチャー、イメルダ・ウィラハン『キーコンセプト:ジェンダー・スタディーズ』(片山亜紀訳者代表・飯野由里子ほか訳、金井淑子解説)新曜社、2008年[7]。ISBN 978-4-7885-1075-3
- カイラ・シュラー『ホワイト・フェミニズムを解体する:インターセクショナル・フェミニズムによる対抗史』(飯野由里子監訳・川副智子訳)明石書店、2023年。ISBN 978-4-7503-5483-5
論文
編集- 「障害者への割引サービスをずるいと感じるあなたへー「公平性」をめぐるコンフリクト」中邑賢龍・福島智編『バリアフリー・コンフリクトーー争われる身体と共生のゆくえ』東大出版会 2012年 pp.129-151
- Iino, Yuriko. 'Separating Income from Work: Lotta Feminista and Aoi Shiba no Kai, ' Akihiko Matsui eds., Proceeding of the forum “Disability and Economy: Creating a Society for All,” DisabilityPress, 2012, pp. 155-162.
- Iino, Yuriko. 'On Disabled Access to the Sexual Realm: How Does the Feminist Perspective Contribute?' Feminism & Psychology, Sage, 2012, pp. 536-541.
- 「ディスアビリティ経験と公/私の区分」松井彰彦他編『障害を問い直す』東洋経済新報社 2011年 pp.259-287
- 「ゲイである」ことの語り、ゲイコミュニティの語りを考察するーー語りを共同行為として捉える視点から」『解放社会学研究22』日本解放社会学会 2010年 pp.83-94.
- 「女性障害者のセクシュアリティ論のために」『RIM アジア・太平洋女性学研究会会誌』第12巻第2号 城西大学ジェンダー・女性学研究所 2011年 pp.28-41.
- Iino, Yuriko. 'Politics of "Disregarding": Addressing Zainichi Issues Within the Lesbian Community in Japan,' Journal of Lesbian Studies, 10(3/4), The Haworth Press Inc. 2006 pp.69-85.
- 「『エイズ予防法』案に反対したレズビアンたち」桜井厚編『戦後世相の経験史』せりか書房 2006年 pp. 200-219.
- 「カミングアウト・ストーリー再考」『かりん かりん:女性学・ジェンダー研究』第5号 城西国際大学大学院 2005年 pp.115-123.
- 「日本のレズビアン・フェミニストのストーリーを読み直す」『解放社会学研究』第18号 日本解放社会学会 2004年 pp.18-38.
- 「差異をもつ〈わたしたち〉の語られ方ーーあるレズビアン・アクティヴィストのライフストーリー」桜井厚編『ライフストーリーとジェンダー』せりか書房、2003年、pp.86-102.
研究ノート・エッセイ
編集- 「バルネラブルな知識の交換のために」『支援』Vol. 2 生活書院 2012年3月 pp. 234-237.(エッセイ)
- 「種を拾うーー『ジェンダー論』の授業実践を通して」『RIM アジア・太平洋女性学研究会会誌』第11巻第1号 城西大学ジェンダー・女性学研究所 2009年 pp.57-61. (エッセイ)
- 「『クィアする』とはどういうことなのか?」『女性』第15号 日本女性学会 2008年 pp.78-83. (研究ノート)
- 「生きることのできる世界のためにーージュディス・バトラーの講演を聴いて」『ふぇみん 婦人民主新聞』第2783号 2006年2月15日発行 (レポート)
- 「フェミニズムで必須の概念「インターセクショナリティ」、なぜ日本で知られていないのか【フェミニズム研究・飯野由里子】『Webメディア NOISIE(ノイジー)』(インタビュー)
- 「マイノリティ女性は声をあげてきた、でも…2021年に考えたい「日本のフェミニズム」の問題点【フェミニズム研究・飯野由里子】『Webメディア NOISIE(ノイジー)』(インタビュー)
脚注
編集- ^ "マイポータル."researchmap(科学技術振興機構)2024年1月31日更新(2024年4月2日閲覧).
- ^ "ふぇみ・ゼミについて."一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェHP. 2024年4月2日閲覧。
- ^ "教員検索(People:飯野由里子)."東京大学公式サイト. 2024年4月2日閲覧。
- ^ "プロフィール."Crossing(個人ホームページ)2024年4月2日閲覧。
- ^ "博士論文書誌."国立国会図書館サーチ. 2024年4月2日閲覧。
- ^ “Yuriko Iino Website 職歴”. 飯野由里子. 2017年10月15日閲覧。
- ^ "出版物>書籍."Crossing(個人ホームページ)2024年4月2日閲覧。