非関税障壁

関税以外の手段を用いた貿易の制限

非関税障壁(ひかんぜいしょうへき)とは、関税以外の方法によって貿易を制限すること。または、その制限の解除要件のことである。非関税措置と呼ぶこともある。

具体的には、輸入に対して数量制限・課徴金を課す、輸入時に煩雑な手続きや検査を要求する事。または国内生産に対して助成金などの保護を与える事などによって行われる。

広義には、輸出入に不平等な結果をもたらす、国特有の社会制度や経済構造を含む場合がある。

論議

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世界恐慌の際、各国は保護主義に傾きブロック経済が形成され、ほどの規模の勢力圏をもたない東欧諸国において侵略志向が台頭して第二次世界大戦発生の原因になった。また経済学の立場からは自由貿易こそが経済成長を最大化する枠組みであり、恐慌時のブロック経済化は恐慌を悪化させたものであるとする見方が主流になる。そのため、第二次世界大戦後は自由貿易が西側世界の建前となる。しかし企業労働組合農民などは各国政治家の有力な支持母体であり、そのうち比較優位にない産業の関係者は輸入抑制を求めて政治家に圧力をかけることになる。

なお、自由貿易が盛んになるほど長距離運輸で大量のエネルギー消費を必要とするため、自由貿易を制限すべきであるとする立場もある(→フードマイレージ)。

これらの背景から、環境保護・労働者保護・生産者保護政策などを遂行する上で輸入に対して制限を設ける必要があり、非関税障壁は必要悪であるという主張が生まれた。

などが今まで行われてきており、近年では特に、

  • 障害者保護を行わない国家・地域で製造された製品を排除する
  • 環境汚染対策を十分に行わない国家・地域で製造された製品を排除する
  • 遺伝子工学(いわゆるバイオテクノロジー)的手法を用いた農/畜産物を排除する
  • 資源管理国際協定に従わない国家・地域で収穫された水産物(マグロが好例)を排除する

などの例がみられる。

これに対し、自由貿易の立場からは「自国の正当化のために非経済問題を悪用している」などの再反論が行われることが多々あり、多くの事例では当事国同士で紛争となり、さらには貿易摩擦へと発展している。

一般に、非関税障壁の撤廃により消費者は商品の価格低下やコストパフォーマンス向上といったメリットを受ける。一方、食品の製造年月日の表示義務は輸入食品にとって不利な非関税障壁であるとして消費期限のみの表記へと制度変更された事例もあるように、その他の面において消費者がデメリットを被る可能性がある。

指摘を受けた事柄

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日本

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ドイツ

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脚注

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関連項目

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