零点エネルギー
零点エネルギー(れいてんエネルギー、英: zero-point energy, ZPE)とは、量子力学の系における最も低いエネルギーであり、基底状態のエネルギーと言いかえることもできる。ゼロ点エネルギーともいう。すべての粒子は波動性を持っており、粒子として存在する限り、その波長と振動数はゼロにはならない。その結果として、どんなに冷却しても全てのエネルギーを失わない。たとえば、液体ヘリウムは零点エネルギーの影響で、大気圧中ではどんなにエネルギーを奪っても固体になることはない。
零点エネルギーの考えは、1913年のドイツにおいて、アルバート・アインシュタインとオットー・シュテルンによって生み出された[1]。この考えは1900年に書かれたマックス・プランクの式を元にしている[2]。
脚注
編集- ^ Einstein & Stern 1913, p. 551.
- ^ Laider 2001, p. 324.
参考文献
編集- Laidler, K. J. (2001). The World of Physical Chemistry. Oxford University Press. ISBN 0-19-855919-4
- Einstein, A.; Stern, O. (1913). “Einige Argumente für die Annahme einer molekularen Agitation beim absoluten Nullpunkt”. Annalen der Physik 40 (3): 551. Bibcode: 1913AnP...345..551E. doi:10.1002/andp.19133450309.