雪の美術館
雪の美術館(ゆきのびじゅつかん、英:Snow Crystals Museum[3])は、北海道旭川市の北海道伝統美術工芸村に存在した雪をテーマにした美術館。
雪の美術館 | |
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雪の美術館とガス燈 雪の美術館と空 | |
施設情報 | |
専門分野 | 雪の結晶ほか |
管理運営 |
エルム(1991-2004) 北海道伝統美術工芸村(2005-2014) マリーブラッサム(2014-2020) |
開館 | 1991年(平成3年)5月26日[1] |
閉館 | 2020年(令和2年)6月30日[2] |
所在地 |
〒070-8028 北海道旭川市南が丘3丁目1-1 |
位置 | 北緯43度46分18.2秒 東経142度18分30.5秒 / 北緯43.771722度 東経142.308472度座標: 北緯43度46分18.2秒 東経142度18分30.5秒 / 北緯43.771722度 東経142.308472度 |
プロジェクト:GLAM |
歴史
編集開設
編集北海道大学の小林禎作が死去した際に研究資料として大雪山系の雪の結晶の写真が遺族から寄託されたことがきっかけ[4]。1991年(平成3年)5月26日に開館[1]。国際染織美術館、優佳良織工芸館とともに、北海道伝統美術工芸村の一部として運営されていた。
ビザンティン建築様式で作られた建物はカフェテラス、スノークリスタルルーム、螺旋階段、氷の回廊等に分けられる。館内の音楽堂は200席あり、各種の音楽イベント、および結婚式場として使用された[5]。氷の回廊は二重ガラス構造でガラス面と回廊の間に空気の空間を設けることにより、結露防止が施されている[6][7]。
旭川市中心部から、予約制の工芸村専用無料バスが運行されていた[8]。また、3つの施設を自由に入退館できる三館共通券もあった[9]。
経営譲渡
編集開館後、バブル崩壊の影響や、工芸村の前を通らず旭川市内へ直行できる高速道路が完成したことにより、観光客が減少した。2004年に競売にかけられたのち、2005年2月に民間企業が落札、雪の美術館を含む工芸村全体の経営を存続させた。
2014年(平成26年)には、旭川市内の婚礼業者「マリーブラッサム」に移管され[10]、同社が施設を貸借し営業を継続した[2]。またディズニー映画『アナと雪の女王』の大ヒットにより来場者の急増が見られた[11]。
2016年12月12日、北海道伝統美術工芸村が旭川地方裁判所から破産開始決定を受けたが、優佳良織工芸館や国際染織美術館とは異なり、雪の美術館の運営は別法人が行っていたため営業が継続された[12]。しかし、2020年(令和2年)には新型コロナウイルス感染症の流行に伴い経営が悪化し、6月末をもってマリーブラッサムが撤退して閉館を迎えた[2][13]。
施設売却
編集その後は旭川市の「エーコー財団」が本施設を含む工芸村3施設の取得交渉を行っていたが[14]、2020年7月末には取得を断念し、施設取得に関心を示す他の事業者も無い事から、施設存続に向けた動きは白紙化されたと報じられた[15]。
2021年8月18日、ツルハホールディングスなど3企業が雪の美術館、優佳良織工芸館、国際染織美術館の3施設を共同取得することになった[16]。
館内
編集- エントランス - 中央に優佳良織タペストリー「雪の紋章」を展示。
- 螺旋階段
- 氷の回廊 - 地下水を霧状に吹き付けて凍らせた高さ6m・幅62mの氷の造形を展示。
- スノークリスタルミュージアム - 顕微鏡撮影した雪の結晶の写真約200枚を展示。
- 音楽堂 - 春浅い残雪の丘に雪解け水がせせらぎを奏でる光景をイメージした約200席のホール。
- 天井画「北の空」 - 松尾隆司・中村幸男・杉本勝義・楓久雄・富田潤・加藤公英・伊藤浩二の合作による幅1m長さ9.5mのキャンバス77枚を貼り付けた28000号サイズの油彩画。
- 雪の結晶美術館 - 小林禎作の学術資料を映像やパネルで展示する。
- 資料室
- モニター - 旭岳天女ヶ原周辺の冬の風景の映像を上映する。
- シアタールーム - 大雪山の四季を描いた映像を上映する。
- 絵本コーナー
- ミュージアムショップ
- カフェレストラン
脚注
編集- ^ a b 朝日新聞社 1991a.
- ^ a b c 本田大次郎 (2020年6月23日). “雪の美術館、7月から休館へ まるで「アナ雪」と評判”. 朝日新聞デジタル. 2020年7月7日閲覧。
- ^ 北海道伝統美術工芸村.
- ^ “木内和博さん 「雪の美術館」造りに取り組む”. 朝日新聞夕刊 (朝日新聞社): p. 2. (1990年1月25日)
- ^ 朝日新聞社 2000, p. 81.
- ^ 朝日新聞社 1991b.
- ^ “第12回 雪の美術館”. KAJIMAダイジェスト. 鹿島建設 (2004年). 2016年11月26日閲覧。
- ^ “無料送迎バス案内”. 北海道伝統美術工芸村. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月16日閲覧。
- ^ “入館料”. 北海道伝統美術工芸村. 2016年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月16日閲覧。
- ^ 今月のトピックス 2014年7月 雪の美術館でお姫様体験など、女性のアイディアが満載! - グラフ旭川
- ^ “氷の城に内装そっくり!雪の美術館“アナ雪効果”で来館者10倍”. スポーツニッポン. (2014年7月21日). オリジナルの2014年7月25日時点におけるアーカイブ。 2023年12月16日閲覧。
- ^ “北海道伝統美術工芸村”. 東京商工リサーチ. 2022年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月19日閲覧。
- ^ “お知らせ〜6月30日(火)で営業終了します”. 雪の美術館 (2020年6月20日). 2020年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月16日閲覧。
- ^ 工芸村3施設、行方不透明 運営会社撤退し雪の美術館閉館 旭川市長「結論早く」 - 北海道新聞2020年7月1日
- ^ “優佳良織工芸館など、旭川の財団が取得断念 3施設存続、白紙に 市と条件折り合わず公売の可能性も”. 北海道新聞. 2020年10月11日閲覧。
- ^ “旭川の雪の美術館など3観光施設 3社が共同取得の方針”. NHK札幌放送局. 2021年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月19日閲覧。
参考文献
編集- “列島NOW・26日”. 朝日新聞朝刊 (朝日新聞社): p. 4. (1991年5月26日)
- “北海道伝統美術工芸村 リーフレット” (JPEG). 北海道伝統美術工芸村. 2016年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月26日閲覧。
- 優佳良織・木内綾作品集 ―北国の四季を織る― 図録. 朝日新聞社文化企画局 大阪企画部. (2000)
- 「旭川にオープンした雪の美術館」『アエラ』、朝日新聞社、1991年9月10日、48頁。
外部リンク
編集- 北海道伝統美術工芸村 - ウェイバックマシン(2016年11月16日アーカイブ分)
- 雪の美術館 - ウェイバックマシン(2020年6月28日アーカイブ分)