天体力学における離心率ベクトル e {\displaystyle \mathbf {e} } とは、軌道の遠点から近点への向きに平行で、大きさが軌道離心率と等しいベクトルである。ケプラー則に従う軌道では、離心率ベクトルは保存する。離心率ベクトルは、摂動下での真円に近い軌道の解析に有用である。このとき、非ケプラー的な摂動は離心率ベクトルを連続的に変化させる。
離心率ベクトル e {\displaystyle \mathbf {e} } は次の式で与えられる: [1]
2つ目の等号は次の恒等式から従う:
v × ( r × v ) = ( v ⋅ v ) r − ( r ⋅ v ) v . {\displaystyle \mathbf {v} \times (\mathbf {r} \times \mathbf {v} )=(\mathbf {v} \cdot \mathbf {v} )\mathbf {r} -(\mathbf {r} \cdot \mathbf {v} )\mathbf {v} .}
ここで、
である。