隻手の声
禅の公案
隻手の声(せきしゅのこえ)、隻手音声(せきしゅおんじょう)とは、白隠慧鶴(1686年-1769年)が創案した禅の代表的な公案のひとつ。
概要
編集「狗子仏性」の公案に取り組んだ白隠が、狗子より疑団が得られやすいとして、それに替わる公案として用いたものである[1]。
白隠が修行者たちを前に言った。
「両掌打って音声あり、隻手になんの声やある。隻手の声を拈提せよ」
(「両手を打ち合わせると音がするが、片手にはどんな音があるのか。それを報告しなさい」という意味。「拈提」は、公案の解答を提出することをいう。)
脚注
編集- ^ 平成25年『別冊太陽』 白隠 - 白隠禅師が用いた禅の「公案」~別冊太陽より~(龍雲寺)参照。