関西空港交通株式会社(かんさいくうこうこうつう)は、南海電鉄グループのバス会社で、主に関西国際空港と近畿圏、中国・四国地方を結ぶリムジンバス貸切バスを運行している。

関西空港交通株式会社
Kansai Airport Transportation Enterprise Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 関西空港バス、関空交通、KATE
本社所在地 日本の旗 日本
598-0048
大阪府泉佐野市りんくう往来北2-12
設立 1991年(平成3年)4月1日
業種 陸運業
法人番号 7120101039588 ウィキデータを編集
事業内容 一般乗合旅客自動車運送事業
一般貸切旅客自動車運送事業
特定旅客自動車運送事業
旅行業
代表者 松平 康一(取締役社長)[1]
資本金 9,600万円 [1]
純利益 6億2,644万2,000円
(2024年3月期)[2]
総資産 31億4,341万6,000円
(2024年3月期)[2]
従業員数 109名 [1]
主要株主 南海バス 100%
外部リンク https://www.kate.co.jp/
テンプレートを表示
路線車
貸切車

概要

編集

1991年4月に南海電気鉄道と当時の日本大手航空会社の3社(日本航空全日本空輸日本エアシステム)の出資により設立。1994年9月の関西国際空港開港に伴い、運行を開始した。英訳名はKansai Airport Transportation Enterprise Co., Ltd.で、その略称からKATE(ケイト)と呼ばれている。近畿地方の他、中国・四国地方へも運行される。なお、2010年度には日本航空インターナショナルが[3][4]、2014年度にはANAホールディングスが保有していた株式を南海電鉄に譲渡したため、南海電鉄の完全子会社となった[5]。2022年度より南海バスが100%の株式を保有している[6]

リムジンバス運賃は1994年の開港以来据え置かれて来たが、後の燃料費高騰や関空利用者の減少などから、2009年2月1日より一部を除く各路線の運賃が値上げされた(USJ線は3月1日より値上げ)。その後は適宜運賃の改定が行われている。

一方、21世紀突入後にPeach Aviationを初めとする格安航空会社の就航が開始されたことにより、早朝・深夜時間帯に関空を発着する便が増加しており、これを背景にしてリムジンバスにおける深夜・早朝便の新設などに積極的に取り組むようになってきている。そして2015年7月1日、関空から大阪駅前に向かう便について、日本初となるリムジンバス24時間運行を実現させた[7]。この実現には、関空側からの運行要請も背景にあるとされている[8]

事業所

編集

路線

編集
  • 全路線、関西国際空港第1ターミナルまたは第2ターミナル発着。第1ターミナルでは出発は1階、到着は4階となる。
  • 方面の後の(括弧内)は共同運行会社。
  • ×マークの路線は、交通系ICカードが使えない路線
  • △マークの路線は、共同運行会社(2社以上の場合、少なくとも1社)の便で交通系ICカードが使えない路線

大阪市内発着

編集

大阪府発着

編集

※大阪市内は上記参照

長期運休中の路線

編集

下記路線は2020年の新型コロナウイルス流行以降運休中となっている。

あべの橋天王寺)方面(近鉄バス)

南海なんば駅方面(関西空港交通の単独運行)

  • 南海なんば駅
    • 深夜バスとして、関西空港発のみ運行される。また運賃は他の時間帯に運行されるなんば(OCAT)線より高い。

天満橋方面大阪シティバス

茨木方面(近鉄バス)

東大阪方面(大阪バス・近鉄バス)

近鉄学園前学研都市方面奈良交通

大和八木方面奈良交通

岡山方面(南海バス・両備バス

×高松方面四国高速バスJR四国バス南海バス

以下の路線は2022年まで秋に運行されていた。

×高野山方面(関西空港交通の単独運行)

  • 第2ターミナル、第1ターミナル、泉佐野駅前 ⇔ 大門南駐車場、高野山(奥の院前)

過去の路線

編集
  • 彦根方面近江鉄道
  • 津山方面(南海バス、神姫バス)
  • 名古屋方面(南海バス)
  • 白浜温泉新宮方面熊野交通
    • 海南、御坊、南部、田辺、白浜温泉、串本役場前、太地駅、勝浦温泉、新宮(一部停留所のみ記載)[16][17]
    • 1996年9月5日運行開始[18]。廃止直前には白浜温泉発着2往復、新宮発着1往復の計3往復を運行。新宮発着は所要時間が約5時間15分と非常に長かった[16]
    • 2000年3月1日に新宮発着便が休止され、関西空港交通の単独運行となった[19]。その後、白浜発着便も2002年10月1日に休止された[17]
  • 守口方面(京阪バス)
    • 大日、パナソニック前、京阪守口市駅
    • 2020年4月1日の天満橋乗り入れ再開に伴う再編で直行便は廃止され、天満橋乗り入れ便のうち2往復が守口市駅まで延伸(大日、パナソニック前停留所は廃止)する形となった。またその全便が京阪バス担当となった[20]。2021年2月1日より天満橋系統自体が運休となり[21]、2022年4月に京阪守口市駅停留所が廃止された[22]

乗継割引

編集

以下の路線同士を太字停留所にて当日に乗り継ぐ場合、出発地にて乗継割引乗車券を購入できる。

乗車カード

編集

PiTaPaICOCAは、関西国際空港発着の以下の便で利用できる。また、交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応している[23]

  • 全便で利用可能(共同運行会社が運行する便を含む)
    • 大阪駅前線、上本町線、天王寺線、南港・天保山線、大阪空港線、茨木線、京都線、神戸三宮線、西宮線、尼崎線、姫路・加古川線、大和八木線、奈良線、近鉄学園前線、和歌山線、岡山線、スカイシャトル線
  • 一部の便で利用可能(共同運行会社が運行する便では利用不可)
    • なんば(OCAT)線、天満橋線、大阪城・日本橋線(近鉄バス運行便も利用可)、寝屋川・枚方・くずは線、東大阪線(近鉄バス運行便も利用可)

車両

編集
  • 日野自動車三菱ふそう・日産ディーゼル(現・UDトラックス)の大型ハイデッカー車が中心である(UD車は富士重工業製、西日本車体工業製両方を採用)。空港旅客のため大型のトランクルームを備えた車両としている。全車両にトイレを設置する。1994年の運行開始当時は、3列シート(1-2人掛け)としたものが採用されたが定員確保のため4列シート化された。車体の塗装は開業時から採用されて続けているが、以前は共同運行の近鉄バス和歌山バス大阪市営バス1996年から1999年までOCAT線を運行)も同一塗装としていた。
    • 近鉄バスから同グループ防長交通に移籍して高速バスで使用されている車両には、関西空港交通と同一塗装のまま「BOCHO」のロゴを入れて使用しているものがある。

その他

編集
  • 関西国際空港が主催する定期観光バス「わくわく関空見学プラン」を運行している。
  • かつては展望見学ホールへの無料送迎バスをエアロプラザから運行していたが、現在は南海バスが一般定期バスとして運行している。

脚注

編集
  1. ^ a b c ハンドブック南海 2022年度版 - グループ会社一覧 南海電気鉄道 2023年3月1日閲覧 (PDF)
  2. ^ a b 関西空港交通株式会社 第33期決算公告
  3. ^ 第94期定時株主総会招集ご通知”. 南海電気鉄道. 2016年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  4. ^ 会社案内”. 関西空港交通. 2010年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  5. ^ 第98期定時株主総会招集ご通知” (PDF). 南海電気鉄道 (2015年6月1日). 2018年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月14日閲覧。
  6. ^ 会社案内 | 【公式】関西国際空港のエアポートリムジンバス・時刻表・のりば・運賃・全路線一覧(関西空港交通株式会社)”. 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  7. ^ “LCC増便 関空リムジンバス24時間運行に”. 関西テレビ放送. (2015年7月1日). オリジナルの2015年7月1日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/3TeGZ 2015年7月1日閲覧。 
  8. ^ “リムジンバス「大阪駅前~関西空港線」が、7月から早朝便を増便し24時間運行を開始!”. NEWS for Travel (フォートラベル). (2015年6月19日). オリジナルの2015年7月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150701150413/http://news.4travel.jp/9323/ 2015年7月1日閲覧。 
  9. ^ https://www.kate.co.jp/upload/AdminNews/463/body_pdf/Tokushimaresumeon16thmarch.pdf
  10. ^ 過去のお知らせ|京阪バス” (和書). 京阪バス. 2024年6月19日閲覧。
  11. ^ 近江鉄道バストップページ”. 近江鉄道. 2002年4月6日時点の[http:/www.ohmitetudo.co.jp/bus/index.htm オリジナル]よりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  12. ^ 7月15日実施 新路線 津山線の運行開始について”. 2012年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月10日閲覧。
  13. ^ リムジンバス「関空・津山線」運行休止のお知らせ”. 南海バス (2012年4月16日). 2012年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月30日閲覧。
  14. ^ 「関西空港~名古屋線」の開業について”. 関西空港交通. 2013年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  15. ^ 【東大阪線・名古屋線】4/1- ダイヤ改正のお知らせ”. 関西空港交通. 2015年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  16. ^ a b 『KATT関西圏私鉄・JR時刻表 2000年2月号』八峰出版。 
  17. ^ a b 令和3年度和歌山県公共交通機関等資料集”. 和歌山県. 2022年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月31日閲覧。
  18. ^ 「「リムジンバス南紀線」の発車式ーー新宮市/和歌山」『毎日新聞』1996年9月6日。
  19. ^ 『KATT関西圏私鉄・JR時刻表 2000年3月号』八峰出版。 
  20. ^ 関西空港~守口・天満橋線のリムジンバス、4月1日運行開始 - トラベル Watch”. 2023年3月1日閲覧。
  21. ^ 空港リムジンバス「守口・天満橋系統」の運休について【2021年2月1日(月)~当面の間】”. 大阪シティバス. 2021年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月1日閲覧。
  22. ^ 広報もりぐち令和4年4月号 32ページ”. 2023年3月1日閲覧。
  23. ^ 【おしらせ】交通系ICカード利用サービスの開始について(一部路線)”. 関西空港交通. 2018年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。

外部リンク

編集