鍛冶屋のポルカ
『鍛冶屋のポルカ』(かじやのポルカ、ドイツ語:Feuerfest!)作品269は、ヨーゼフ・シュトラウスが作曲したポルカ・フランセーズ(フランス風ポルカ)。単に『鍛冶屋』とも[1]。金床を楽器として用いることで知られる。
『鍛冶屋のポルカ』 | |
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ドイツ語: Feuerfest! | |
ピアノ初版譜の表紙絵。シュトラウス博物館収蔵品(カール・アントン・シュピーナ社出版) | |
ジャンル | フランス風ポルカ |
作曲者 | ヨーゼフ・シュトラウス |
作品番号 | op.269 |
初演 | 1869年3月13日 |
解説
編集1869年3月、金庫メーカーのヴェルトハイム商会が、耐火金庫2万個の製造を記念して舞踏会と花火大会を催した。この舞踏会に際してヨーゼフ・シュトラウスは商会から作曲を依頼された。ヨーゼフは金庫を製造した鍛冶職人を讃えて、打楽器として金床を用いるポルカを作曲した。
3月13日、ブリューメンザールの舞踏会(場所は園芸協会の庭園に「花爛漫」と名付けられた会場)において、作曲者自身の指揮のもとでシュトラウス管弦楽団によって初演された。後に本作は主催者のヴェルトハイム商会に献呈されている。
「Feuerfest」はこの会社の宣伝文句で、本来は「耐火性抜群」の意である[2]。『鍛冶屋のポルカ』とは日本での命名である[2]。日本においては、『かっこうワルツ』などに代わって、小学2年生用の「鑑賞共通教材」として1989年改訂の学習指導要領に採り入れられている。
楽器編成
編集構成
編集ニ長調、4分の2拍子。
冒頭部
4小節の前奏に続いて金床の一打で終えると、8部音符を中心とした単純な旋律で始まる。トリオはト長調、2部形式。主部に戻ると金床が活躍する短いコーダで終える。
ニューイヤーコンサート
編集ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートのプログラム上に頻繁に取り上げられる作品の一つとなっている。
過去の演奏一覧
開催年 | 指揮者 | 備考 |
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1951年 | クレメンス・クラウス | |
1962年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1968年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1971年 | ヴィリー・ボスコフスキー | |
1982年 | ロリン・マゼール | ウィーン少年合唱団の合唱付き |
1992年 | カルロス・クライバー | |
1994年 | ロリン・マゼール | 指揮者自ら金床を叩きながらの指揮。 |
2012年 | マリス・ヤンソンス | 指揮者自ら金床を叩きながらの指揮、ウィーン少年合唱団の合唱付き |
出典
編集参考文献
編集外部リンク
編集音楽・音声外部リンク | |
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全曲を試聴する | |
Feuerfest - K&K Philharmonikerによる演奏。公式YouTube。 |
- ポルカ・フランセーズ『鍛冶屋のポルカ』の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 桂博章「鑑賞の授業法について : 「物語の創作を目的とした授業」と「旋律唱・リズム打ちを中心とした授業」の比較」『秋田大学教育文化学部 教育実践研究紀要』第27巻、秋田大学教育文化学部、2005年4月、25-31頁、CRID 1050001202960542592、hdl:10295/259、ISSN 13449214。「『鍛冶屋のポルカ』を使って、2種類の音楽鑑賞の実験をした論文。」