鈴木屋敷
鈴木屋敷(すずきやしき)は、和歌山県海南市の藤白神社境内に所在する、藤白鈴木氏の旧宅[1]である。国の史跡に指定されている[1]。
鈴木屋敷 | |
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所在地 | 〒642-0034 和歌山県海南市藤白108 |
位置 | 北緯34度8分39.511秒 東経135度12分33.811秒 / 北緯34.14430861度 東経135.20939194度座標: 北緯34度8分39.511秒 東経135度12分33.811秒 / 北緯34.14430861度 東経135.20939194度 |
類型 | 民家 |
文化財 | 国指定史跡 |
概要
編集熊野信仰を広めた神官の一族である藤白鈴木氏がかつて居住していた屋敷であり[2]、全国で二番目に多い[3]「鈴木」姓発祥の地とされる[2]。
「鈴木屋敷復元の会」によると、藤白鈴木氏がこの一帯に屋敷を構えるようになったのは平安時代末期の1150年頃で[1]、現存の建物は江戸時代後期頃に建てられたとされる[4]。また邸内には、室町時代末の作とされる日本庭園「曲水園」が今も残る[2]。
復元工事
編集1942年に最後の当主が病死し、藤白鈴木氏の嫡流が断絶した後も、屋敷は残された。しかし、次第に老朽化や台風被害が目立つようになる。復元構想は何度となく浮上するものの、膨大な工事費用がネックとなった[5]。
2013年5月22日に開催の第7回全国鈴木サミット&鈴木フォーラムにおいて、全国に200万人ほどいるとされる「鈴木さん」に、朽ち果てた鈴木屋敷復元のための寄付が呼びかけられた。自動車メーカースズキの鈴木修会長兼社長もフォーラムに参加し、「スズキの海外進出」と題した基調講演を行った[6][リンク切れ][7][リンク切れ]。
2015年に、屋敷を含む神社境内などが国史跡に追加指定されたことを受け、海南市教育委員会が周辺一帯の保存活用計画を文化庁に提出。屋敷を文化財として復元することが可能になり、総額約1億5000万円とされる事業費の約6割を国、県、市が負担することになった。残りの6000万円ほどは神社負担となるため、その分に充てるため関係者が企業版ふるさと納税に注目し、2019年1月から募集を開始した。復元は、屋敷を描いた江戸時代の地誌『紀伊国名所図会』を参考にすることとし、同年中に解体工事を実施した[5]。その後、2021年8月に起工式が[4]、翌2022年5月14日には上棟式が挙行されている[1][8][9]。
復元される屋敷は2023年3月に完成[10][注釈 1]、4月1日から一般公開されている[11]。建物内には、鈴木氏や熊野古道に関する資料を展示する施設を設けられ、講演会などにも利用される[8]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 「鈴木」姓発祥の地 屋敷復元/和歌山・海南 聖地で上棟式 来年3月の完成目指す『日本経済新聞』夕刊2022年5月21日(社会面)2022年8月8日閲覧
- ^ a b c “鈴木屋敷 海南観光ナビ”. 海南市観光協会. 2021年10月20日閲覧。
- ^ 明治安田生命 全国同姓調査を実施 (PDF)
- ^ a b “鈴木屋敷、江戸期の景観復元へ 海南で起工式”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2021年9月4日). 2022年7月4日閲覧。
- ^ a b c “「鈴木」ルーツの屋敷が老朽化 復元に向けて寄付呼びかけ”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2019年2月6日). 2022年7月4日閲覧。
- ^ “全国の鈴木さん、一堂に 7年ぶりサミット開催へ”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2014年1月26日閲覧。
- ^ “鈴木サミット&鈴木フォーラム”. 貼雑デザイン事務所. 2014年1月26日閲覧。
- ^ a b “和歌山:<海南で上棟式>鈴木屋敷 完成へ前進”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2022年5月15日). 2022年7月4日閲覧。
- ^ ““鈴木姓の発祥地” 和歌山 海南「鈴木屋敷」復元工事の上棟式”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会 (2022年5月16日). 2022年7月4日閲覧。
- ^ “鈴木姓のルーツとされる「鈴木屋敷」、和歌山に復元…鈴木さん親睦団体や「スズキ」も寄付金”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2023年3月30日). 2023年3月30日閲覧。
- ^ “鈴木屋敷を復元 姓の発祥地で式典”. 和歌山新報 (2023年4月3日). 2023年4月3日閲覧。