金陵十三釵
『金陵十三釵』(きんりょうじゅうさんさ、英語題:The Flowers Of War)は、2011年公開の中国映画。張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品。日本未公開。題名は『紅楼夢』の『金陵十二釵』に由来する。
金陵十三釵 | |
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タイトル表記 | |
簡体字 | 金陵十三钗 |
英題 | The Flowers Of War |
各種情報 | |
監督 | 張芸謀(チャン・イーモウ) |
脚本 | 劉恆(リュウ・ホン) |
原作 | 厳歌苓(ゲリン・ヤン) |
製作 |
ウィリアム・コン 張偉平(チャン・ウェイピン) 張芸謀 |
製作総指揮 | 張偉平 |
出演者 |
クリスチャン・ベール 倪妮 張歆怡 佟大為 渡部篤郎 小林成男 |
音楽 | 陳其鋼(チェン・チーガン) |
撮影 | 趙小丁(チャオ・シャオティン) |
編集 | 孟佩璁(Peicong Meng) |
衣装 |
張叔平(ウィリアム・チャン) グラシエラ・マゾン |
美術 |
赤塚佳仁 Yingzhang Fu 種田陽平 |
製作会社 | 北京新画面影業公司 |
公開 | 2011年12月16日 |
上映時間 | 145分 |
製作国 | 中国 |
言語 |
中国語 南京語 英語 日本語 |
南京事件を題材とした映画で、中国映画史上最高額となる製作費6億元(約78億円)を投じた超大作であり、2011年の中国の年間総興行第1位(約71億円)と大ヒットし[1]、中国社会に大きな影響を与えた[2]。第84回アカデミー賞外国語映画賞中国代表作品[3]。
ストーリー
編集この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
舞台は日中戦争下、1937年の南京。南京へ侵攻してきた日本軍から迫害を受け教会の建物の中へ逃げ込んだ中国人女子学生ならびに娼婦らを米国人納棺師ジョン(クリスチャン・ベール)が聖職者になりきり匿い救う。日本軍士官である長谷川大佐は女学生たちを保護する約束をするが、同時に彼女等がパーティーで賛美歌を合唱するよう要求する。女子学生たちを助けるために、一緒に避難していた12人の娼婦と1人の少年侍者が女子学生に扮装し身代わりとして日本軍の南京陥落パーティーに赴き、その隙にジョンは修理された教会のトラックと密かに入手した通行証で女子学生たちを南京から救出する。
出演
編集評価
編集映画レビューサイトRotten Tomatoesでは44%の評価が付いた[4]。
小西未来は、中国政府にプロパガンダの意図があるのかもしれないとしつつ、長谷川大佐の描き方など日本軍を画一的に描くことは避けているとして、監督の演出に悪意は感じないとし、ストーリーも良いと評価した。一方で、普通の作品のように物語世界に没頭できず、これほど居心地の悪い思いをしたのは初めてとした[5]。
映画賞ノミネート
編集賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
ゴールデングローブ賞[6] | 外国語映画賞 | 『金陵十三釵』 | ノミネート |
アジア・フィルム・アワード[7] | 作曲賞 | 陳其鋼 | ノミネート |
衣裳デザイナー賞 | 張叔平 | ノミネート | |
監督賞 | 張芸謀 | ノミネート | |
作品賞 | 『金陵十三釵』 | ノミネート | |
新人賞 | 倪妮 | ノミネート | |
脚本賞 | 劉恆、厳歌苓 | ノミネート |
第84回アカデミー賞外国語映画賞の中国代表作品になるもノミネートを逃している。
中国社会への影響
編集日本兵によるリアルで残虐な戦闘シーンや、中国人女性への強姦や輪姦、殺戮シーンなど反日感情を刺激する日本軍の残虐性を強調するシーンが多く、上映中、中国の映画館内では、すすり泣きと日本人を罵倒する声があちこちから聞こえ、またインターネット上にはこの映画の影響を受け反日を叫ぶ書き込みが溢れたという[2][8]。
この映画を鑑賞した人気歌手の韓紅が中国版ツイッター・新浪微博に日本を罵倒する書き込みをしたところ、インターネット上ではそれに対する賞賛の書き込みがあふれる[9]一方で、韓紅の書き込みは「愛国主義の濫用」「品位に欠ける」などの批判もなされる[10][11][12]など、賛否両論の論争となった[13]。
脚注
編集- ^ 2011年の中国映画ランキング、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の『金陵十三釵(The Flowers of War)』が1位 CRIオンライン、2012年2月2日閲覧
- ^ a b 【矢板明夫の中国ネットウオッチ】 産経ニュース、2012年1月9日、2012年2月3日閲覧
- ^ “Hong Kong chooses A Simple Life for Oscar race, China selects The Flowers Of War”. Screen International (2011年9月23日). 2012年2月3日閲覧。
- ^ The Flowers of War - Rotten Tomatoes RottenTomatoes.com. 2012年2月14日閲覧
- ^ 小西未来. “巨匠チャン・イーモウ監督最新作は、南京大虐殺を扱った超大作”. 株式会社エイガ・ドット・コム. 2023年10月2日閲覧。
- ^ “THE 69TH ANNUAL GOLDEN GLOBE AWARDS (2012)”. ハリウッド外国人映画記者協会. 2012年2月3日閲覧。
- ^ “Asian Film Awards 2012: Nominations: THE FLYING SWORDS OF DRAGON GATE”. Film Book (2012年1月18日). 2012年2月3日閲覧。
- ^ 日本文化チャンネル桜・公式メールマガジン「桜・ニュース・ダイジェスト」(第269号・2012年1月28日発行)水島総「弁慶の立ち往生」2012年2月3日閲覧
- ^ 中国歌手・韓紅が日本人に罵言=チャン・イーモウの南京映画を見て Record China 2011年12月31日
- ^ 中国有名歌手が日本を罵倒「それは愛国主義でない」 サーチナ 2012年1月1日
- ^ 「日本人くそったれ」愛国主義を濫用した人気歌手 Record China 2012年1月1日
- ^ 歌手・韓紅の「日本製品ボイコット」は全くの茶番劇 Record China 2012年1月4日
- ^ 日本兵の少女暴行は許せない!「日本人くそったれ」発言の歌手が反論 Record China 2012年1月8日