金子筑水
日本の哲学者、評論家
金子 筑水(かねこ ちくすい、明治3年1月10日(1870年2月10日) - 昭和12年(1937年)6月1日)は、日本の哲学者・思想・文芸評論家。
人物情報 | |
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別名 | 金子 馬治 |
生誕 |
1870年1月10日 日本長野県小県郡 |
死没 | 1937年6月1日 (67歳没) |
出身校 | 東京専門学校 |
学問 | |
研究分野 | 哲学、美学 |
研究機関 | 早稲田大学 |
学位 | 博士(文学) |
本名は「金子 馬治」(うまじ)。
経歴
編集1870年、長野県小県郡赤坂村(現上田市)生まれ。旧制上田中学(現・長野県上田高等学校)を経て、1893年東京専門学校(現早稲田大学)卒業後、]母校講師となる。
『早稲田文学』1898年2月に評論「所謂社会小説」を発表した。1903年ドイツに留学し、ライプツィヒ大学、ベルリン大学、ハイデルベルク大学で学んだ。帰国後の1907年より早稲田大学教授となり、哲学、心理学、美学を講義した。同大学文学部長、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館長、常務理事を務めた。1920年、文学博士号を取得。墓所は雑司ヶ谷霊園。
研究内容・業績
編集第一次『早稲田文学』に文芸に関する論文、評論などを発表する傍ら、欧米思想の紹介や評論活動、アンリ・ベルグソンやフリードリッヒ・ニーチェの翻訳等を行った。
著書
編集単著
編集- 『時代思想之研究』早稲田大学出版部、1910年5月。
- 『普通心理学』早稲田大学出版部、1917年1月。NDLJP:954037。
- 『生活と文化』南北社、1919年5月。
- 『欧洲思想大観』東京堂〈思想叢書〉、1920年10月。
- 『現代哲学概論』東京堂〈思想叢書 第4編〉、1922年12月。
- 『芸術の本質』東京堂、1925年1月。NDLJP:969718。
- 『文芸の本質観と特殊観』教化団体聯合会〈教化資料 第61輯〉、1927年5月。
- 『哲学概論』早稲田大学出版部、1927年11月。NDLJP:1175807。
- 『欧洲思想大観』東京堂、1930年11月。NDLJP:1187107。
- 『哲学概説・現代認識論問題』誠文堂〈哲学講座 第1巻〉、1931年3月。
- 『論理学 上』岩波書店〈岩波講座哲学〉、1932年9月。
- 『論理学 下』岩波書店〈岩波講座哲学〉、1933年1月。
- 『哲学概論 上』東海書房〈東海叢書〉、1946年12月。
- 『哲学概論 下』東海書房〈東海叢書〉、1947年1月。
編著
編集- 『現代哲学十二講』理想社出版部、1937年6月。
翻訳
編集- フリードリヒ・ニイチエ『悲劇の出生 善悪の彼岸』早稲田大学出版部〈現代哲学 第3編〉、1915年2月。NDLJP:950199。
監修
編集- 『基礎哲学』桑木厳翼・金子馬治監修、理想社出版部〈新哲学講座 第1巻〉、1937年11月。
- 『特殊哲学』桑木厳翼・金子馬治監修、理想社出版部〈新哲学講座 第2巻〉、1937年12月。
- 『文化哲学』桑木厳翼・金子馬治監修、理想社出版部〈新哲学講座 第3巻〉、1938年2月。
共訳
編集著作集
編集金子博士選集
編集- 『文芸及哲学論集』理想社出版部〈金子博士選集 上巻〉、1938年5月。NDLJP:1228092。
- 『美学及芸術学講義』理想社出版部〈金子博士選集 下巻〉、1940年12月。NDLJP:1261685。
明治文学全集
編集- 稲垣達郎編集 編『金子筑水・田中王堂・片山孤村・中沢臨川・魚住折蘆集』筑摩書房〈明治文学全集 50〉、1974年10月。ISBN 9784480103505 。
参考文献
編集- 『長野県歴史人物大事典』 郷土出版社、1989年
- 坂本令太郎『近代を築いたひとびと 5』、農山漁村文化協会、1978年
外部リンク
編集- 『金子筑水』 - コトバンク
- 『金子馬治』 - コトバンク
- 『金子 馬治』 - コトバンク
- 早稲田人名データベース 金子馬治
- 『金子馬治 (筑水) 関係資料目録 早稲田大学図書館蔵』早稲田大学図書館、2003年7月。hdl:2065/00054122 。