野底岳(のそこだけ、ぬすくだぎ[2])、又は、野底マーペー(のそこマーペー、ぬすくマーペー[3])は、沖縄県石垣市にあるである。しま山100選に選定されている[3]

野底岳
(野底マーペー)
標高 282.4 m
所在地 日本の旗 日本
沖縄県石垣市
位置 北緯24度29分19.8秒 東経124度14分55.4秒 / 北緯24.488833度 東経124.248722度 / 24.488833; 124.248722 (野底マーペー)座標: 北緯24度29分19.8秒 東経124度14分55.4秒 / 北緯24.488833度 東経124.248722度 / 24.488833; 124.248722 (野底マーペー)
山系 野底岳山系[1]
種類 岩石山
野底岳の位置(日本内)
野底岳
野底岳の位置
プロジェクト 山
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概要

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石垣島北部の野底半島に位置し、西浜川の源流である。山は緑色火山岩溶岩など、古第三紀始新世の野底層からなり[2]スダジイの群落に覆われている。

山頂には安山岩の巨岩が屹立しており、この巨岩にまつわる伝承が残っている(#伝承参照)[2]2018年1月下旬にはこの岩が倒れているのが発見された[4]

この山は、伝承にちなんで野底マーペー(のそこマーペー、ぬすくマーペー[3])とも呼ばれる。明治時代の文献には「ヌスクマヤーヒイ山」と記されている[5]。また、野底富士の別名を持つ[6]

伝承

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西麓にあった野底村(現在の多良間集落付近[7])は雍正10年(1732年)に黒島新城島からの寄百姓によって新設された村である。その際に黒島では道で島を二分し、一方を強制的に野底に移住させたため、親類や恋人が別離する悲劇を生んだと伝えられ、次のような伝承が残っている[8]

黒島からの移住者の中に、移住によって恋人カニムイと離ればなれになったマーペーという娘がいた。マーペーは黒島に残したカニムイを忘れられず、せめて恋人の住む黒島だけでも目にしたいとの思いで野底岳に登った。しかし、野底岳からは於茂登岳にさえぎられて黒島の姿を見ることはかなわず、絶望したマーペーは山頂の石と化したという[2][9]

島内の「つぃんだら節」はこの伝承を詠んだものである[8]

小柳ルミ子が歌った「星の砂」は、この伝承をモチーフにしたものとされる[6]

登山

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野底岳の山頂近くの登山口を通って、石垣島東岸の大野農道(国道390号桃原付近)と西岸の県道79号石垣港伊原間線を結ぶ野底林道が2004年(平成16年)4月に全線開通している。東岸の林道入口から登山口までは車で約10分。登山口から山頂までは約200m、15-30分[3][10]

脚注

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  1. ^ 金子慶之「5万分の1地質図幅 「石垣島東北部」」(PDF)『地質ニュース』第598巻第4号、産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2004年6月、68-71頁、2018年2月11日閲覧 
  2. ^ a b c d 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』 角川書店、p.565
  3. ^ a b c d しま山100選 野底岳” (PDF). 日本離島センター. 2018年2月11日閲覧。
  4. ^ “山頂の岩 倒れる 野底マーペーに異変”. 八重山日報. (2018年2月1日). https://www.yaeyama-nippo.com/2018/02/01/%E5%B1%B1%E9%A0%82%E3%81%AE%E5%B2%A9-%E5%80%92%E3%82%8C%E3%82%8B-%E9%87%8E%E5%BA%95%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%81%AB%E7%95%B0%E5%A4%89/ 2018年2月11日閲覧。 
  5. ^ 『八重山島各村之図』
  6. ^ a b 石垣島の風景と自然 75. 多良間(たらま)集落”. 石垣市教育委員会市史編集課. 2018年2月11日閲覧。
  7. ^ 石垣島の風景と自然 54. 平野(ひらの)集落”. 石垣市教育委員会市史編集課. 2018年2月11日閲覧。
  8. ^ a b 今林 直樹「八重山諸島の歴史と文化 : 石垣島と竹富島を中心に」『沖縄研究ノート』第24号、宮城学院女子大学、2015年3月31日、1-16頁、NAID 110009891985 , (p.7)
  9. ^ 「八重山ジャンルごと小事典」p80、崎原 恒新、ボーダーインク、1999年8月1日
  10. ^ 石垣市議会 野底林道の台風被害実態調査”. 石垣市. 2018年2月11日閲覧。

参考文献

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  • 日本歴史地名大系(オンライン版) 小学館 (『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
  • 『先島諸島の地理・民俗・歴史―宮古諸島と八重山諸島―』今林直樹(2015)

関連項目

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外部リンク

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