酸化マンガン(II)
酸化マンガン(II)(さんかマンガン(II)、Manganese(II) oxide)は、化学式 MnO で表されるマンガンと酸素の化合物である。緑マンガン鉱として天然に産出される。
酸化マンガン(II) | |
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酸化マンガン(II) | |
別称 緑マンガン鉱(鉱物名) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1344-43-0 |
特性 | |
化学式 | MnO |
モル質量 | 70.94 g mol−1 |
外観 | 緑色結晶 |
密度 | 5.37 g/cm3 |
融点 |
1650 °C, 1923 K, 3002 °F |
構造 | |
結晶構造 | 塩化ナトリウム型構造(立方晶)、cF8 |
空間群 | Fm3m, No. 225 |
配位構造 | 八面体形 (Mn2+) 八面体形 (O2–) |
危険性 | |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 硫化マンガン(II) セレン化マンガン テルル化マンガン |
その他の陽イオン | 酸化テクネチウム(IV) 酸化レニウム(IV) |
関連するマンガンの酸化物 | 酸化マンガン(II,III) 酸化マンガン(III) 二酸化マンガン 七酸化二マンガン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
合成方法
編集硝酸マンガン(II)六水和物を大気中で300 ℃まで加熱すると、二酸化窒素の発生終了後に β-MnO2 が得られる。これを粉砕し、水素中・1200 ℃以下で還元すると酸化マンガンが得られる。
または炭酸マンガンを減圧下・500 ℃で数十時間、ないし水素中で1000 ℃・20分加熱することでも生成される。
性質
編集水には溶けないが、塩化アンモニウム水溶液には可溶。単位格子は立方晶で格子定数は4.436 Å。空気中でも安定だが、長期間放置すると褐色の二酸化マンガンになる。
参考文献
編集- 日本化学会・編『第4版 新実験化学講座 16巻 無機化合物』 丸善、1991年