四酸化三コバルト
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四酸化三コバルト(しさんかさんコバルト、英: tricobalt tetroxide)は、化学式が Co3O4 と表されるコバルトの酸化物である。黒色の固体で、コバルト(II)とコバルト(III)の両方を含む混合原子価化合物である。形式的には CoIICoIII2O4 と書くことができる[1]。
四酸化三コバルト | |
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四酸化三コバルト | |
別称 酸化コバルト(II,III) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1308-06-1 |
RTECS番号 | GG2500000 |
特性 | |
化学式 | Co3O4 |
モル質量 | 240.80 g mol-1 |
外観 | 黒色の固体 |
密度 | 6.11 g cm-3 at 25 °C |
融点 |
895 °C(分解) |
危険性 | |
Rフレーズ | R40 R41 R42 R43 |
Sフレーズ | S36/37 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
構造
編集Co3O4 は、酸化物イオンの立方最密充填単位格子の八面体間隙に Co3+ イオン、四面体間隙に Co2+ イオンが配置したスピネル型構造をとる[1]。
合成
編集酸化コバルト(II)を空気中で600-700 °C付近に熱すると生じる。900 °C以上にすると酸化コバルト(II)のほうが安定化する[1]。
脚注
編集- ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン. ISBN 978-0-08-037941-8。 p. 1118