KBS京都エキサイトナイター
『KBS京都エキサイトナイター』(ケービーエスきょうと エキサイトナイター)は、KBS京都テレビで放送されているプロ野球ナイター中継のタイトルである。『KBS京都エキサイト・ナイター』『エキサイトナイター』『エキサイトナイターNPB!』と表記される場合もある[注 1]。
かつてはKBS京都ラジオの中継(『KBS京都エキサイティングナイター』を参照)とともに『KBSパーフェクトナイター』と名乗っていた。
概要
編集かつては、大阪近鉄バファローズ・南海ホークスの主催ゲームや、西京極球場で開催の阪神タイガース・阪急ブレーブスの主催ゲームを自社制作していたが、2003年を最後に行われなくなり、現在は主にサンテレビが制作する阪神タイガースのゲーム(主催・ビジター問わず)をネット受けして放送している他、阪神戦中継がない時は関東圏の独立局からパ・リーグの中継をネット受けすることがある(特に交流戦の日程編成上ロッテまたは西武主催の対阪神戦の開催がない場合に、阪神が関与しない当該球団の試合を数試合中継することが多い)。
放送日時は、火・木・金・日曜日の18時00分から21時25分まで(阪神戦は試合終了まで、その他は21時55分まで終了時刻を繰り下げることがある。ただし、1990年代から2001年までは阪神戦も21時55分で打ち切っていた。また、2008年には例外として日曜日の阪神対巨人戦のリレー中継において、4月27日に23時39分、8月31日に23時20分が最大延長時刻に設定された。延長時、以降の番組は繰り下げおよび休止)。水曜はビジターゲームや朝日放送テレビで阪神主催試合が放送できない場合に編成されることがある。また、オリックス戦については、19時00分から開始する日が多い。
サンテレビと同様に、水曜日の阪神戦(オリックス主催の対阪神交流戦を含む)は朝日放送テレビとのリレー中継を行う(20時47分から試合終了まで。1991年シーズンまでは、サンテレビジョン放送なしで18時試合開始から19時までリレー中継していた。)[注 2]。ただし、18時台の「トップ中継」は行わないほか、リレー中継も日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)・京都サンガF.C.戦の中継が優先される日が多く、この場合はネットしない。
ハイビジョン制作は2008年6月22日以降の日曜日開催分から試験的に開始し、翌2009年からは全曜日に拡大した。
サンテレビと違い、現在は中継終了後の各番組の放送時間の案内を行っていない(過去に行われたのは2006年と2007年のみ)。
放送されるカード
編集主催球団を基準とした。
現在
編集- 阪神タイガース - 主催ゲームのほか、広島東洋カープ・東京ヤクルトスワローズ・中日ドラゴンズ・横浜DeNAベイスターズ・オリックス・バファローズ主催のビジターゲームも中継する(いずれもサンテレビ制作)。過去には、1969年のKBS(当時の正式社名は近畿放送)テレビ開局当初より、西京極球場で開催されるゲームを自社制作で中継[注 3]。編成によりサンテレビに配信する場合もあった。
- 埼玉西武ライオンズ(テレビ埼玉制作) - 週末のデーゲームを録画中継する場合もあった。
- 北海道日本ハムファイターズ(GAORA制作[注 4])
- 千葉ロッテマリーンズ(千葉テレビ制作[注 5])
過去
編集- 大阪近鉄バファローズ(詳しくは後述)
- 中日ドラゴンズ(東海テレビ・三重テレビ制作)
- 横浜DeNAベイスターズ・東京ヤクルトスワローズ(テレビ神奈川制作)
- 福岡ソフトバンクホークス - 南海ホークス時代は自社制作で放送していたが、対近鉄戦に限り南海主催でも『近鉄エキサイトアワー』として近鉄応援放送となっていた。福岡ダイエーホークス時代はサンテレビ制作(試合により九州朝日放送・TXN九州も制作協力)、もしくは九州朝日放送制作(デーゲームの関東圏での放送時はテレビ朝日も制作に参加する場合あり)、TXN九州(現在のTVQ九州放送)制作で放送された。
- オリックス・バファローズ - 2012年より、サンテレビ制作分を数本程度ネットしていた(2015年限りでサンテレビが主催球団を問わず交流戦で阪神と対戦する場合を除いて中継そのものを廃止したため、KBS京都のネットも終了)。対阪神の交流戦では、2017年は水曜日に朝日放送制作のリレー中継を放送した[6]。また2018年は阪神主催で1試合を放送した。阪急ブレーブス時代からオリックス・ブルーウェーブ時代初期も、サンテレビからネット受けしていたが、オリックスとなってからは対ダイエー戦に限り、サンテレビではダイエー主催試合と同様ダイエーとの取引関係が強い企業による提供で放送されたため(KBS京都でのスポンサーは不明)、CM前のジングルに当時のダイエー球団歌だった『ダイヤモンドの鷹』を使用し、実況内容もダイエー応援色の強い放送としていた。それ以外のカードは阪急時代と同様オリックス応援の形態での放送だった。
- 阪急時代には、西京極球場での主催試合に限り自社制作で中継することがあった[7]。
近鉄戦中継
編集KBS京都テレビは、近畿放送時代から京都の西京極球場を準本拠地としていた大阪近鉄バファローズ(1998年までは近鉄バファローズ)と結びつきがあった。
このため、開局当初から金曜日と日曜日に行われる主催ゲームと南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)主催、西京極球場での阪急ブレーブス主催による対近鉄戦の一部を『近鉄エキサイトアワー』(きんてつエキサイトアワー)のタイトルで、球団を所有する近鉄グループの一社提供(晩期は複数社の中の筆頭)[注 6]により年20試合前後中継した。また、『近鉄バファローズアワー』(きんてつバファローズアワー)[8]や『バファローズアワー』[9]のタイトルを使用した時期もあった。
自局のみに限らず、サンテレビ・三重テレビ・奈良テレビ[注 7]・岐阜テレビといった近畿日本鉄道[注 8]沿線地域の独立UHF局やCS放送のスカイ・A、対西武戦についてはテレビ埼玉や群馬テレビ(いずれも、関東地方の独立UHF局)に向けても配信していた。これらの局では、テーマソングの『ヨーロッパ万歳』もそのまま流された。また、近鉄沿線地域の独立局ではスポンサードネットで放送され、「近鉄特急 (曲)」(1980年リニューアルのインストルメンタル版など)をBGMにした近鉄グループのロールテロップもそのまま放送された。
本拠地の日本生命球場や藤井寺球場での試合を初め、年数回秋田市八橋運動公園硬式野球場(秋田放送制作協力)やナゴヤ球場で行われた主催試合もスタッフを派遣して自社制作を行なった。その一方、日本生命球場・藤井寺球場での試合については、サンテレビへのネット対象でないカードに限り、テレビ大阪からのネット受けとなった事例もあった。
末期にはこのタイトルは使われず、各局の番組名や体裁に準じる形での放送となった。年数試合は引き続き自社で制作していた[注 9]が、2004年度は中継を行わず、結局その年限りで近鉄はオリックス・ブルーウェーブと合併しオリックス・バファローズとなった。
なお、自社制作となる対南海戦や西京極球場の対阪急戦を除くビジターゲームのネット時(サンテレビ制作の西宮球場の対阪急戦、千葉テレビ制作の対ロッテ戦など[注 4])は、通常のナイター中継と同様の体裁で放送していた。
日本シリーズ
編集2003年以降、テレビ東京が日本シリーズの放映権を獲得しており、近畿地方における系列局のテレビ大阪の放送対象地域が限られている関係で、通常テレビ東京と同時ネットを行わないKBSでもサンテレビと共に同時放送を行った。
- 対象となった試合
- 2003年 - 第7戦(ダイエー対阪神)
- 2005年 - 第2・7戦(ロッテ対阪神)
- 2006年 - 第4戦(日本ハム対中日)[10]
- 2007年 - 第2・5戦(日本ハム対中日)
- 2009年 - 第7戦(日本ハム対巨人)
- 2010年 - 第4戦(ロッテvs中日)
以上の内、2005年の第7戦と2009年はそれぞれロッテ(第4戦)と巨人(第6戦)が日本一を決めたため、試合が行われなかった。
なお、2011年以降はテレビ東京が放映権を得たとしても、KBSではネットしていない。
テーマ曲
編集出演者
編集自社制作中継担当経験者のみ明記[注 11]。
解説者
編集- 加藤英司(2000年 - 2003年シーズン途中[注 12]。サーパス神戸監督就任に伴い降板)
- 嶋尾康史(1997年 - 1998年)
- 清俊彦(西京極球場の阪神主催試合を担当)
- 秋山重雄
- 辻佳紀(1980年代頃)
- 関口清治
- 平野光泰(1986年 - 1998年[11])
- 阪本敏三(1982年 - 1983年)
- 佐々木宏一郎(1982年)
- 土井垣武[注 13]
- 藤村富美男(KBSテレビ開局時、西京極球場での阪神主催試合を担当[5])
- 笠原和夫
実況・リポーター
編集備考
編集先述のように2003年を最後に自社制作による中継を行っていなかったが、日本スポーツ出版社発行の『12球団全選手カラー百科名鑑』シリーズ内プロ野球アナウンサーリストでは2004年版まで、日刊スポーツ出版社発行の『プロ野球選手カラー名鑑』シリーズ内プロ野球中継担当解説者・アナウンサー名簿では2000年代後半頃もKBSのアナウンサーが掲載され続けた[16]。
脚注
編集注釈
編集- ^ 参考
- ^ 対巨人戦の中継数は本数が限られていたが、2008年からは全国放送の実施日にもリレーナイターを組むことが決まった。
- ^ 参考…1969年8月10日の阪神対中日ダブルヘッダー[5]
- ^ a b 東京ドーム本拠地(球団名:日本ハムファイターズ)時代はテレビ埼玉・東京ケーブルネットワーク制作。ただし、まれに東京ケーブルネットワーク制作・千葉テレビ発で放送された試合もある。
- ^ 千葉マリンスタジアムへの移転初期の頃は、東京ケーブルネットワークの制作協力。川崎球場本拠地(球団名:ロッテ・オリオンズ)時代は、テレビ神奈川・テレビ埼玉制作の試合が放送された事例もあった。また1973年には西京極球場で開催された主催試合を自社制作したことがある。
- ^ 近鉄グループによる一社提供の場合、1回表の攻撃終了後、『近鉄特急のうた』(三木鶏郎作詞・作曲、楠トシエ歌)を1980年にリニューアルしたもののインストゥルメンタル版をBGMにブルーバックに協賛各社のロールテロップが流された。この曲は主に1970年代の近鉄のCMでも使われていたものである。
- ^ 参考:2002年当時[9]
- ^ 大阪近鉄バファローズの親会社であった、鉄道会社。
- ^ 2001年当時の『大阪近鉄バファローズイヤーブック』より、「エキサイトナイター」の番組名で近鉄戦中継放送予定が2試合分(4月25日、6月5日の対西武戦)明記された[2]。P81の奈良テレビ放送における近鉄戦中継や三重テレビ放送における『三重テレビナイター』各番組宣伝広告にも、放送予定一覧にKBSと同じ試合が記載。
- ^ KBS京都共通のスポーツテーマソングとして、ラジオ放送の「KBS京都エキサイティングナイター」でも使われているほか、かつてテレビ放送の「競馬中継」明記時代(現:「うまDOKI」枠)にもこの曲が使われていた。
- ^ 例年各放送局のプロ野球解説者・アナウンサーを扱っている『12球団全選手カラー百科名鑑』(1999年までは『プロ野球12球団全選手百科名鑑』)では、1999年まで「KBS京都」、2000年以降は「京都テレビ」の局名で、担当者が紹介された。
- ^ 『12球団全選手カラー百科名鑑』の2000年版から2003年まで、解説者名鑑に掲載(活動先は「京都テレビ」と明記)。
- ^ 私生活では創作図案家・能装束研究家・呉服商の初代若松華瑤に養子縁組した関係で「若松」に改姓していたが、野球解説者としては旧姓で出演していた。
- ^ 1988年から1993年まで在職[14]
- ^ 参考:2002年[9]、2004年[15]。2007年[16]
出典
編集- ^ 『2000阪神タイガース イヤーブック』(2000年3月24日発売、発行所:阪神タイガース、コード:ISBN 4990058348)P67掲載の番組宣伝広告
- ^ a b 『2001年 大阪近鉄バファローズ 公式イヤーブック』(編集発行:大阪近鉄バファローズ)P77掲載の番組宣伝広告
- ^ 2001年6月当時のKBS京都テレビ公式サイト内基本番組表(インターネットアーカイブ2001年7月15日付保存キャッシュ) ※火・木曜の18:00 - 21:30、金曜の18:00 - 21:25を参照。
- ^ 2002年8月当時のKBS京都テレビ公式サイト内基本番組表(インターネットアーカイブ同3日付保存キャッシュ) ※火・木・金曜の18:00 - 21:25を参照。
- ^ a b c 『サンケイ新聞』(大阪本社発行版)1969年8月10日付朝刊9面近畿Dラテ欄掲載「近畿テレビ」番組表より、午後4:20 - 6:45および午後7:20 - 10:30(局名・時刻表記は番組表に基づく)の『〇…「阪神=中日」(西京極)』(“〇”=野球ボール、“…”=“・”が4つ)を参照。先述時間帯には「解説=藤村富美男 担当=小崎アナ」、後述時間帯には「解説=藤村富美男 担当=乾アナ」の記載あり。
- ^ 阪神主催と違って朝日放送に水曜日の優先権はないが、阪神主催時と同様に放映権を獲得して19時 - 20時台の中継を行い、18時台にサンテレビでトップ中継を、21時台以降にサンテレビとKBS京都でリレー中継を行った。
- ^ 産経新聞・近畿D版、1971年7月1日(木曜日)、テレビ欄。対この時は南海戦を放送(解説・土井垣武、実況:小崎愃)。なお、サンテレビは読売テレビ・関西テレビとの並列で阪神対巨人戦を放送していた。
- ^ a b 寺西裕一の番組出演履歴(アナウンサーネットワーク公式サイト内)より、KBS京都在職当時の番組リストに『近鉄バファローズアワー』のタイトルあり。 ※インターネットアーカイブ2010年6月21日付保存キャッシュ。表示環境によって文字化けする場合があるため、インターネットエクスプローラーにて、右クリック→「エンコード」→「日本語(シフトJIS)」に設定の上で閲覧する必要あり
- ^ a b c 参考:2002年5月14日(火)の奈良テレビ公式サイト内番組表(インターネットアーカイブ2002年6月27日付保存キャッシュ)。18:00 - 21:50の『バファローズアワー 大阪近鉄VS西武』を参照。解説:加藤英司、実況:澤武博之、ベンチリポート:森谷威夫の三者が明記。
- ^ 2006年当時のテレビ東京プロ野球中継公式サイト(インターネットアーカイブ同11月9日付保存キャッシュ)
- ^ 『'98プロ野球12球団全選手百科名鑑』の解説者名鑑で掲載
- ^ 『プロ野球12球団全選手百科名鑑』『12球団全選手カラー百科名鑑』(2000年以降)シリーズでは、2002年版まで掲載。
- ^ 『'98プロ野球12球団全選手百科名鑑』(『ホームラン』1998年3月号増刊)P208に掲載されたKBS京都プロ野球担当アナ名簿
- ^ 寺西裕一サイトトップページ(アナウンサーネットワーク公式サイト内) ※インターネットアーカイブ2010年6月23日付保存キャッシュ。
- ^ a b 『12球団全選手カラー百科名鑑2004』より、KBS京都のプロ野球アナウンサー名簿に記載。
- ^ a b c マスコミ各社の表記ルールにより、旧字体の「澤」を置き換えたものとみられる。同社の名鑑においてはこのルールに従って旧字体→新字体の置き換えが多く見られている。参考:『プロ野球選手カラー名鑑2007』内解説者・アナウンサー一覧より、KBS京都のアナウンサーとして「沢武博之」「森谷威夫」の二名が明記。
- ^ 『'97プロ野球12球団全選手百科名鑑』(『ホームラン』1997年3月号増刊)P208に掲載されたKBS京都プロ野球担当アナ名簿
参考資料
編集- 『プロ野球12球団全選手百科名鑑』『12球団全選手カラー百科名鑑』シリーズ各年版バックナンバー(日本スポーツ出版社発行)
- 『'97プロ野球12球団全選手百科名鑑』(『ホームラン』1997年3月号増刊。1997年3月31日発行)
- 『'98プロ野球12球団全選手百科名鑑』(『ホームラン』1998年3月号増刊。1998年3月31日発行)
- 『12球団全選手カラー百科名鑑2000』(『ホームラン』2000年3月号増刊。同31日発行)
- 『12球団全選手カラー百科名鑑2002』(『ホームラン』2002年3月号増刊。同31日発行)
- 『12球団全選手カラー百科名鑑2003』(『ホームラン』2003年3月号増刊。同29日発行)
- 『12球団全選手カラー百科名鑑2004』(『ホームラン』2004年3月号増刊。同31日発行)
- 『プロ野球選手カラー名鑑2007』(2007年4月6日、日刊スポーツ出版社発行) ISBN 9784817253262
- 各種外部リンク(インターネットアーカイブの保存キャッシュを含む)
関連項目
編集- スーパーベースボール(ABCテレビのプロ野球中継。阪神主催試合やオリックス主催の対阪神戦で同局制作のリレー中継を放送する)
- KBS京都エキサイティングナイター - KBSラジオの野球中継
外部リンク
編集- KBS京都公式サイト
- 過去の保存キャッシュ一覧 - インターネットアーカイブより