跛行
外傷、奇形、その他の疾患により正常な歩行ができない状態
跛行(はこう、lameness、claudication、limp)とは、片足を引きずるように歩くこと。跛(ちんば、びっこ[1])を引くこと。医学用語や獣医学用語で用いられる。外傷や奇形理由だけでなく、その他の疾患により正常な歩行が出来てない状態。ただし、疲労、衰弱、老化、調教、指導法によるものは跛行に含めない。負重時に認められる跛行を支柱肢跛行、挙上時に認められる跛行を懸垂肢跛行、負重時および挙上時いずれの時ににも認められる跛行を混合跛行と呼ぶ。
診断には診断的麻酔法、X線検査、飛節内腫試験、超音波検査などが用いられる。運動器疾患の症状で多くみられる。
派生して、「釣り合いが取れずに物事が動く状態」も指す(市場相場が跛行する、など)。
ペットの跛行
編集犬などが飼い主へ「もっと構ってほしい、もっと注目してほしい、もっと心配してほしい」という気持ちからわざとするケースもある。仮病の場合は、足に触っても痛がらないし、検査をしても異常が見つからない。特に、以前に足を本当に痛めた際に家族がすごく心配され、構ってもらったり注目してもらったりした経験があると行いがちである[2][3]。仮病の際には、「病院へ連れて行くと普通に歩ける」、「散歩に出るといつも通り歩ける」といったことが起こる[4]。
脚注
編集- ^ 小学館デジタル大辞泉「跛」[1]
- ^ “犬が足を引きずる原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説”. 「PS保険」ペットメディカルサポート株式会社. 2024年9月18日閲覧。
- ^ 「犬が足を浮かせるけど痛くないみたい。ケガ? 病気? 原因は?|ワンクォール」『』。2024年9月18日閲覧。
- ^ “犬が足を浮かせるけど痛くないみたい。ケガ? 病気? 原因は?|ワンクォール”. magazine.cainz.com. 2024年9月18日閲覧。
参考文献
編集- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 幡谷正明 『家畜外科学』 金原出版 1995年 ISBN 430779009X
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(大動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
関連項目
編集- 競走馬#脚部の疾病・負傷(故障) - 競走馬の跛行について
- 運動器
- 身体障害
- 点頭運動(nodding) - 前肢における跛行の重要な指針となる。