谷口富士夫
人物・経歴
編集愛知県[1]名古屋市[2]生まれ。仏教系の高校に学び、永源寺での坐禅会に参加するなど仏教に関心をもつようになる[2]。東海高等学校を経て、1981年、名古屋大学文学部哲学科卒業[1]。名古屋大学大学院大学院文学研究科修士課程修了、1988年、同博士課程修了[1]。大学院時代に、2回インドへ留学し、チベット仏教への関心を深める。現観荘厳論を中心にチベット仏教に関する研究を進め、1991年に『「現観荘厳論」における現観』により名古屋大学より文学博士を取得した[3]。
名古屋女子大学文学部児童教育学科講師となっていた1997年に、日本印度学仏教学会賞を受賞[4][5]。のち、文学部日本文学科助教授、文学部国際言語表現学科教授と昇任するも、2012年4月、助手に降任[6]。
2012年7月、「名古屋某女子大学マンガチック」と表記したブログ投稿を理由に解雇されたため、同年9月下旬に復職と損害賠償など約1300万円を求め、名古屋地裁に提訴した。学園側は「書き込みは名誉毀損」として、約1000万円の賠償を求めて谷口を提訴した[7]。2014年9月18日、名古屋地方裁判所は解雇取り消しと、約2200万円の支払いを越原学園に命じたが、学園は控訴し[8]、2015年4月30日の名古屋高等裁判所も一審判決を支持したため、さらに最高裁判所に上告した[9]。2016年6月20日、最高裁判所は上告を斥け、2審判決が確定した[10]。
この結果、2017年4月、名古屋女子大学家政学部生活環境学科教授として、5年半ぶりに教壇に復帰した。
谷口は、ダライ・ラマ14世の著作の翻訳も手がけている。
業績
編集単著
編集- 『トゥカン『一切宗義』チョナン派の章 西蔵仏教宗義研究』東洋文庫 1993
- 『現観体験の研究』山喜房佛書林、2002年、ISBN:4796301283
翻訳
編集- ダライ・ラマ14世テンジンギャツォ、ダライ・ラマ 365日を生きる智慧、春秋社、2001年、ISBN-13: 978-4393133316(新装版:2007年)
- ダライ・ラマ14世テンジンギャツォ、ダライ・ラマ 至高なる道、春秋社、2001年、ISBN-13: 978-4393133392
出典・脚注
編集- ^ a b c d “現観体験の研究”. 紀伊国屋書店. 2012年7月22日閲覧。
- ^ a b “谷口自己紹介”. 谷口富士夫. 2012年7月22日閲覧。
- ^ “「現観荘厳論」における現観 谷口富士夫”. 国立国会図書館. 2012年7月22日閲覧。
- ^ “日本印度学仏教学会賞歴代受賞者一覧”. 日本印度学仏教学会. 2012年7月22日閲覧。
- ^ “J-GLOBAL 谷口富士夫”. 科学技術振興機構. 2012年7月22日閲覧。
- ^ 「解雇したい人追い詰める 大学の「追い出し部屋」の実態」AERA2013年7月8日号
- ^ 中日新聞2012年10月16日
- ^ “元教授の解雇取り消し命令 地裁判決 名古屋女子大の学校法人に”. 読売新聞・中部朝刊・名市内: p. 27. (2014年9月19日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “名女大側に高裁 追加支払い命令 元教授解雇訴訟”. 中日新聞. (2015年5月1日) - 谷口教授を支援する会ブログ
- ^ 元教授 解雇無効の判決確定(WaybackMachine、2016年6月21日) - http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20160621/3317831.html
外部リンク
編集- 谷口富士夫のホームページ - ウェイバックマシン(2009年6月17日アーカイブ分) - 公式サイト