諸葛監
略伝
編集江戸の富裕な家に生まる。南蘋派・長崎派の絵師だが長崎には遊学せず、中国古画や沈南蘋などの画を集めて独学。熱中しすぎて身代を潰したという(『雲室随筆』)。画姓の諸葛は1748年(延享5年)に来舶した清人諸葛晋(南陽晋)に私淑したことから名乗った。江戸で南蘋画風を始めた最初期の絵師であり、これは江戸で南蘋派を代表する絵師・宋紫石より早い。岩村藩松平家の御用を勤め、一時姫路藩酒井雅楽助家に仕えたともいわれる。
強烈な色彩と墨線、濃厚な陰影の画様で花鳥画を得意とした。1759年(宝暦9年)頃刊行の『冬至梅宝暦評判記』では、唐画の名手とされ、南蘋風の作品に定評があったようだ。実際、沈南蘋の作品など、中国画を模写した作品も残っている。また、細部へのこだわりを強く感じさせる作品も多い。
性格は剛毅で己を曲げず、貧困のうちに没したという。享年74。弟子に源鸞卿など。子は渡辺玄対に入門したが、画業は継がなかったらしい。
作品
編集作品名 | 技法 | 形状・員数 | 寸法(縦x横cm) | 所有者 | 年代 | 落款・印章 | 備考 |
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罌粟ニ鶏図 | 絹本著色 | 1幅 | 111.0x41.0 | 板橋区立美術館 | 1758年(宝暦8年) | ||
翠柳芙蓉白鷺小禽図 | 絹本著色 | 1幅 | 133.4x52.7 | 神戸市立博物館 | 1765年(明和2年) | 款記「乙酉孟冬湖南諸葛監写」/「者葛監印」白文方印・「思文氏」朱文方印 | |
白梅ニ鳥図 | 絹本著色 | 1幅 | 109.9x39.6 | 板橋区立美術館 | |||
松ニ虎図 | 絹本著色 | 1幅 | 110.0x45.0 | 板橋区立美術館 | |||
虎図 | 絹本著色 | 1幅 | 89.3x44.6 | 千葉市美術館 | 款記「湖南諸葛監写」/諸葛監印」白文方印・「子文氏」朱文方印・「自姉一家」白文長方印 | ||
白梅小禽図 | 絹本著色 | 1幅 | 106.1x34.9 | 千葉市美術館 | 款記「湖南諸葛監写」/諸葛監印」白文方印・「子文氏」朱文方印・「静斎」白文長方印 | ||
牡丹図 | 1幅 | 摘水軒記念文化振興財団蔵(千葉市美術館寄託) |