証明妨害の法理
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証明妨害の法理(しょうめいぼうがいのほうり)とは、訴訟手続きにおいて、証明責任を負わない当事者が、挙証責任を負う当事者の証拠の収集・提出(立証)を困難にしたり、妨げた場合に、妨害された立証責任を負う当事者に対して、有利に取り扱う法理をいう。単に、立証妨害または証明妨害ともいう。
概要
編集証明妨害の法的基礎は、事案の解明を損なう義務違反行為(不作為も含む)により、相手方の証拠提出を妨げる場合には、訴訟上の制裁をもって調整がはかられる[1] とされる。
これについては、法律に規定のある場合もあるが、それに限られない[2]。
要件
編集- 客観的要件
- 広い意味での証拠保存義務違反、あるいは事案解明の協力義務に対する違反が、存在すること(義務違反)
- こうした義務違反によって、要件事実の解明不能が起こり(因果関係)、証明責任を負う者に事案の解明を期待し得ないこと[3]。
- 主観的要件
法律に規定のある場合
編集法律に規定のない場合
編集- 裁判所は、要件事実の内容、妨害された証拠の内容や形態、他の証拠の確保の難易性、当該事案における妨害された証拠の重要性、経験則などを総合考慮して、事案に応じて、
- 挙証者の主張事実を、事実上推定するか、
- 証明妨害の程度に応じ、裁量的に挙証者の主張事実を真実として擬制するか、
- 挙証者の主張事実について、証明度の軽減を認めるか、
- 立証の転換をし、挙証者の主張の反対事実の立証責任を相手方に負わせるか
- を決すべきである。