訳経史区分(やっきょうしくぶん)とは、中国における仏典の訳経史(サンスクリット等で書かれた原典の漢訳の歴史)における時代区分のことである。

旧訳と新訳

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玄奘以後の訳経を新訳(しんやく)と呼び、それ以前の訳経を旧訳(くやく)と呼ぶ。玄奘は誤りや訛が多いとして旧訳には批判的であった。訳例を以下に示す。

訳例
サンスクリット 旧訳 新訳
skandha 五陰 五蘊[1]
yojana 由旬(ゆじゅん)
兪旬、由延とも
踰闍那
踰繕那とも[2]
sattva 衆生 有情[3]

古訳

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訳経史上では、鳩摩羅什以前の訳を古訳と言って旧訳から区別することがある[4]

古訳時代の代表的訳者は

である[5]

出典

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  1. ^ 釈慶厳 編『諷誦・歎徳・表白・引導大宝典』国書刊行会、1987年、351頁。 
  2. ^ 御書講義録刊行会 編『盂蘭盆御書 : 日蓮大聖人御書講義』聖教新聞社〈聖教文庫〉、1987年、49頁。 
  3. ^ 大倉山中世思想研究会「訳注『天地神祇審鎮要記』訳注(五)」『大倉山論集』第33号、大倉精神文化研究所、1993年、181頁。 
  4. ^ 境野黄洋 編『支那佛教精史』国書刊行会、1972年、1頁。 
  5. ^ 勝崎裕彦「支謙の訳語について――音写語をめぐって――」『仏教文化研究』第32号、淨土宗教學院、1987年、179頁。 

関連項目

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