角川春樹小説賞(かどかわはるきしょうせつしょう)は、株式会社角川春樹事務所が主催する公募の文学賞[1]。ジャンルは問わず、未発表の長編エンターテインメント小説を募集する[2][3]。プロ・アマは問わない[2]。受賞者には印税とは別に賞金100万円と記念品が贈られる[2]。2001年に第2回の受賞作が出版されて以降中断していたが、2010年に再開された。当初は枚数に上限がなかったが、その後400字詰原稿用紙換算で550枚以下と規定された。

選考委員

編集

受賞作リスト

編集

特記がなければ、初刊は角川春樹事務所、文庫はハルキ文庫刊。

回(年) 応募数 受賞・最終候補作 著者 初刊 文庫化
第1回(1999年) 603編 大賞 「ひらめきの風」[注 1] 辻昌利 2000年3月
特別賞 「駿府に吹く風」[注 2] 鈴木英治 2000年3月 2001年9月
最終候補 「夢幻郷」 浜田文人
「エンデュミオン エンデュミオン」 平谷美樹 2000年6月[注 3]
「どってことあらへん!」 中井順一
第2回(2000年) 276編 受賞 「南稜七ツ家秘録 七ツの二ツ」[注 4] 長谷川卓 2001年3月 2005年4月
最終候補 「ブルーブラッド」 小松多聞
「弁護士たちの墓場」 広岩近広
「平成の家族」 丸茂永津子
「遙かな武田騎馬隊」 岩崎正吾 2001年6月
第3回(2011年) 487編 受賞 「グッバイマネー!」[注 5] 又井健太 2011年10月 2014年5月
最終候補 「狂犬、注意」 朱雀遙
「ソフトボイルド」 香住泰
「少女人形 ALICE 13」 佐々木弘有希
第4回(2012年) 429編 受賞 「加羅の風」[注 6] 知野みさき[注 7] 2012年10月 2013年8月
最終候補 「七夕雨」 日向那由他
「インター・プレイ」 夏川真一
「GHOST」 刈間剛史
第5回(2013年) 385編 受賞 「港の足」[注 8] 池田久輝[注 9] 2013年10月 2018年7月
最終候補 「TYRANT」 天原聖海
「若犬丸暗殺記 鎌倉大草紙外伝」 津高東樹
「砂漠の下にドルは眠る」 浅野大志
第6回(2014年) 350編 受賞 「蜃気楼の如く」[注 10][4] 鳴神響一 2014年10月 2016年1月
最終候補 「影は光 愛洲移香斎明国刀法伝授記」 名月明
「さらば、我が愛しのカメリア」 清水厄
第7回(2015年) 402編 受賞 「シンデレラ異聞 小さなガラスの靴」[注 11][5] 櫻部由美子 2015年10月
特別賞 「巨眼を撃て」[注 12][5] 新美健 2015年12月
最終候補 「足溜りの家」 刈間剛史
「1992年のグッド・フェローズ」 本城美音子
第8回(2016年) 382編 受賞 「横濱つんてんらいら」[6] 橘沙羅[注 13] 2016年10月
最終候補 「開拓戸籍」 藤奈子
「ロンリー・プラネット」 雄太郞
第9回(2017年) 394編 受賞 「乱世をゆけ」[注 14][7] 佐々木功[注 15] 2017年9月 2019年3月
最終候補 「宿儺村奇譚」[注 16] 高代亞樹 2018年3月
「薩摩無名もんがたり」 水無月神野
第10回(2018年) 453編 受賞 「童神」[注 17] 今村翔吾 2018年9月 2020年6月
最終候補 「姿なきハイジャック」 中村透
「四六の蝦蟇」 東圭一
「産土」 中上竜志
第11回(2019年) 518編 受賞 「ブラックシープ・キーパー」 柿本みづほ[注 18] 2019年9月
最終候補 「陰流呪剣行」 羽山遼
「諏訪蛇神伝奇」 崑鳶尾
第12回(2020年) 420編 受賞 「すっきりしたい」[注 19] 渋谷雅一 2020年10月
最終候補 「地獄のフリルスカート」 田井庸介
「たった一人ではなく、唯一の君のために」 小島英希
第13回(2021年) 454編 受賞 「風雲月路」[注 20] 稲田幸久 2021年10月
最終候補 「京流神剣紀」 佐藤遼空
「忍びしのぶれど」 裳下徹和
第14回(2022年) 324編 受賞 「写楽女」 森明日香 2022年10月
最終候補 「育霊――丑三つ時」 甘江慶
「冒険貸借」 銀たかな
第15回(2023年) 344編 受賞 「奥州狼狩奉行始末」 東圭一
最終候補 「斑模様の血脈」 山本純嗣
「僕と瓶詰と静子さん」 実澄彩
第16回(2024年) 399編 受賞 「真令和復元図」 桜田光
最終候補 「則天秘記」 坂井のどか
「碧海のまほろば」 菅野稀

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 刊行時『ひらめきの風 黎明篇』に改題
  2. ^ 刊行時『義元謀殺』に改題
  3. ^ ハルキ・ノベルス刊
  4. ^ 刊行時『血路―南稜 七ツ家秘録』に改題
  5. ^ 刊行時『新小岩パラダイス』に改題
  6. ^ 刊行時『妖国の剣士』に改題
  7. ^ 「鈴木みく」から改名
  8. ^ 刊行時『晩夏光』に改題
  9. ^ 「池田長十」から改名
  10. ^ 刊行時『私が愛したサムライの娘』に改題
  11. ^ 刊行時『シンデレラの告白』に改題
  12. ^ 刊行時『明治剣狼伝―西郷暗殺指令』に改題
  13. ^ 「藤ノ木陵」より改名
  14. ^ 刊行時『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』に改題
  15. ^ 「佐木コウ」より改名
  16. ^ 刊行時『勾玉の巫女と乱世の覇王』に改題
  17. ^ 刊行時『童の神』に改題
  18. ^ 「佐木桂」より改名
  19. ^ 刊行時『質草女房』に改題
  20. ^ 刊行時『駆ける 少年騎馬遊撃隊』に改題

出典

編集

外部リンク

編集