蛸ノ浦貝塚
概要
編集貝層は、厚さが最大で2mに達し、縄文時代中期の貝塚としては国内最大級のものである。大船渡湾に面する標高35mの丘陵上に立地する縄文時代前期~中期(約5,500~4,000年前)の遺跡で、1934年(昭和9年)に国の史跡に指定されたが、1980年(昭和55年)に行われた発掘調査で、丘陵北側の平地部分には遺構・遺物が全く存在しないとわかったため、その部分が解除されている[2]。そのため現在は、貝塚のある丘陵地と丘陵北麓の平地部分のみが、史跡として指定されている[3]。貝塚には屈葬人骨や住居跡のほか、アサリ、マガキなどの貝類、マグロ、タイなどの魚骨層、シカ、イノシシなどのほ乳類の獣骨層などのほか、石器や縄文土器、骨角器が多数出土している。釣り針など漁の道具も発見されており、漁労に携わる人びとのムラであったと推定され、当時から豊かな海産物の恵みを受けていたと捉えられる。
脚注
編集- ^ 『蛸ノ浦貝塚』 - コトバンク
- ^ “国指定文化財等データベース”. kunishitei.bunka.go.jp. 2021年1月13日閲覧。
- ^ “文化遺産データベース”. bunka.nii.ac.jp. 2021年1月13日閲覧。