藤袴
『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。
源氏物語五十四帖 | |||
各帖のあらすじ | |||
帖 | 名 | 帖 | 名 |
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1 | 桐壺 | 28 | 野分 |
2 | 帚木 | 29 | 行幸 |
3 | 空蝉 | 30 | 藤袴 |
4 | 夕顔 | 31 | 真木柱 |
5 | 若紫 | 32 | 梅枝 |
6 | 末摘花 | 33 | 藤裏葉 |
7 | 紅葉賀 | 34 | 若菜 |
8 | 花宴 | 35 | 柏木 |
9 | 葵 | 36 | 横笛 |
10 | 賢木 | 37 | 鈴虫 |
11 | 花散里 | 38 | 夕霧 |
12 | 須磨 | 39 | 御法 |
13 | 明石 | 40 | 幻 |
14 | 澪標 | 41 | 雲隠 |
15 | 蓬生 | 42 | 匂宮 |
16 | 関屋 | 43 | 紅梅 |
17 | 絵合 | 44 | 竹河 |
18 | 松風 | 45 | 橋姫 |
19 | 薄雲 | 46 | 椎本 |
20 | 朝顔 | 47 | 総角 |
21 | 少女 | 48 | 早蕨 |
22 | 玉鬘 | 49 | 宿木 |
23 | 初音 | 50 | 東屋 |
24 | 胡蝶 | 51 | 浮舟 |
25 | 蛍 | 52 | 蜻蛉 |
26 | 常夏 | 53 | 手習 |
27 | 篝火 | 54 | 夢浮橋 |
「藤袴」(ふじばかま)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第9帖。巻名は夕霧が詠んだ和歌「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。
あらすじ
編集光源氏37歳の秋の話。
大宮が亡くなり、尚侍に任命された玉鬘は孫として喪に服しながら、出仕を思い悩んでいた。そこへ夕霧が父光源氏の使いで訪れ、従兄弟の縁に事寄せ藤袴の花を差し出しつつ、秘めていた想いを訴えたが、玉鬘は取り合わない。源氏のところに戻った夕霧は、「内大臣様が内々におっしゃったそうですが、「世間では源氏の大臣が、玉鬘を側室の一人にするつもりだと噂している」との事…」と言って、その真意を鋭く追及した。夕霧の追及をかわした源氏。内大臣の勘の鋭さに、内心冷や冷やする。
喪が明けて、玉鬘の出仕は10月に決定した。求婚者たちからは諦めきれない文が届き、文をより分ける女房たちは「悲しいお文ばかり」と話す。とりわけ髭黒や蛍兵部卿宮は熱心だった。玉鬘はその中で、蛍兵部卿宮だけに返事を送った。