藤枝ため池
藤枝ため池(ふじえだためいけ)は、青森県五所川原市金木町芦野大字松野木にあるため池である。
藤枝ため池・愛称(芦野湖) | |
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藤枝ため池付近の空中写真。1975年撮影。 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。 | |
所在地 | 青森県五所川原市金木町 |
位置 | |
水面の標高 | 10 m |
成因 | 灌漑用人造湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
プロジェクト 地形 |
概要
編集元禄年間1688年~1704年弘前藩主津軽信政により、北津軽の新田開墾の灌漑用水源として築造された。
藤枝ため池は大沢内溜池と共に芦野池沼群県立自然公園に指定されている[2]。
湖畔には芦野公園が整備されており、2, 300本の桜が咲き、日本さくら名所100選[3]に指定されている。
発掘調査
編集1952年(昭和27年)11月、杉原荘介は小規模な試掘を行い、礫層から人為的な加工跡を思わせる資料(小石など)を採集、「日本石器文化の段階」という論文を発表し、この資料を基に「藤枝文化」として日本最古の段階に位置づけた。翌1953年6月、明治大学考古学教研究室主催・日本学術会議第四紀小委員会後援で本格的発掘調査が行われた。砂礫層中から多量の出土品を発掘、1954年4月に講演会要旨「青森県金木砂礫層出土の偽石器」(謄写版刷り)が発表され、出土品は日本最古級の石器ではなく自然破砕礫という結果を発表した[† 1][4]。その後の2013年9月に松藤和人等が初歩的な地質・地形調査で砂礫層の最下位から未知のテフラ(十和田湖給源?)を見つけた。分析の結果は3~4万年前のものと推定された。この年代では日本列島に人類が生息しているため、偽石器と明瞭な人工品との比較検討をおこない、両者の差異を明らかにする研究が今後大事である[5]。このような問題意識に立った地形・地質調査が、2014年度に上峯篤史らによって実施された。1950年代の学史の詳細な検討結果とともに、藤枝溜め池周辺のどのような特徴が偽石器問題の呼び水となったのかが丁寧に跡づけられた[6]。
アクセス
編集道路
編集- 国道339号・芦野公園
路線バス
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 主な根拠は、(1)加工技術に斉一性がない、(2)器形に斉一性が認められない、(3)打瘤が認められる剥片が3点のみで打角がさまざまで打面ができていない、(4)細部加工のようなものが少数見分けられるが、剥離部位の方向が規則性がない
出典
編集参考文献
編集- 松藤和人著 『日本列島人類史の起源 -「旧石器の狩人」たちの挑戦と葛藤-』 雄山閣 2014年 ISBN 978-4-639-02313-5 C0021