藤原麻里菜
藤原 麻里菜(ふじわら まりな、1993年〈平成5年〉7月20日[1] - )は、日本の発明家、YouTuber、コンテンツクリエイター、文筆家、映像作家[7][8]。「無駄づくり」として工作・発明活動を展開[2][7]。YouTube NextUp 2016入賞者[9]。2019年度総務省「異能(Inno)vation」最終選考通過者[10][注 1]。株式会社 無駄 代表取締役[5]。
人物 | |
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生誕 |
1993年7月20日(31歳)[1] 日本 神奈川県横浜市戸塚区[2] |
職業 | |
公式サイト | 無駄づくり |
YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2013年8月[3] - |
ジャンル | 実験工作、発明紹介 |
登録者数 | 10.8万人[3] |
総再生回数 | 10,013,228回[3] |
事務所(MCN) | 吉本興業 → フリー → 株式会社無駄[4][5][6] |
チャンネル登録者数・総再生回数は 2024年8月13日(UTC)時点。 |
よしもとクリエイティブ・エージェンシー[11]を経てフリーランス[4]。文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門審査委員会推薦作品となった「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」[12]など、2021年の時点で200点以上の作品を制作[13]。著書に『無駄なことを続けるために』[14]や『考える術』[15]がある。
来歴
編集生い立ち
編集1993年7月20日生まれ[1]、神奈川県横浜市戸塚区出身[2]。小学生の頃にパソコンを親に買ってもらい、インターネットを始める[16]。高校を卒業した2012年、吉本総合芸能学院東京校(東京NSC)に18期生として入学する[2][17]。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー時代
編集2013年に東京NSCを卒業し、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属[17]。当初はピン芸人としても活動していたがうまくいかず、事務所より「YouTubeで好きなことをやってみたら」と言われたことをきっかけに、同年8月、YouTubeチャンネル「無駄づくり」を開設し、自作の実験工作や発明などを紹介する動画を投稿し始める[2][17][16]。チャンネルを開設して1ヶ月後、「YouTube エンタメウィーク」に選ばれ、9月21日に『オードリーのオールナイトニッポン』へゲスト出演する[18]。
2015年8月には初個展「無駄な部屋」を開催[17]。2016年にはGoogle Japanが主催するクリエイター支援プログラム「YouTube NextUp 2016」コンテストで入賞する[9]。2017年より、複数のウェブメディアにて「無駄づくり」関連の連載・寄稿を始める[17][19][20]。さらに2018年6月2 - 10日の9日間、台湾で、国外での初個展「無用發明展 - 無中生有的沒有用部屋in台北」を開催。2万5000人以上の来場者を記録した[16]。
2018年11月16日、著書『無駄なことを続けるために ― ほどほどに暮らせる稼ぎ方 ―』を出版[14][注 2]。2019年度には、総務省の「異能(Inno)vation 破壊的な挑戦部門」で最終選考を通過[10][注 1]。2020年2月21日に自身のTwitterで「もっと自由に無駄づくりを含めて活動していくため」として吉本興業を退社することを発表し[21]、8月29日付で吉本興業を円満退所する[4][注 3]。
独立、株式会社無駄の創業へ
編集2021年にはSNSでの動画再生の総回数が4000万を超えており[22]、『考える術 ─ 人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71 ―』を出版[15]。テレビ東京の『23時の密着テレビ「レベチな人、見つけた」』[23]、フジテレビの『セブンルール』[24]、テレビ朝日の『ももクロちゃんと!』[25]といったテレビ番組でも藤原は取り上げられた[23][24][25]。さらに10月には「フォーブス30アンダー30」日本版の一人に選出されている[26]。
2022年2月22日には株式会社 無駄[注 4]を創業し[6]、同社の代表取締役となる[5]。同年3月にはホラーコメディ漫画『見える子ちゃん』とコラボレーションした「怖いシーンをスルーできるマシーン」を発表[27]。同年4月からはNHKEテレ『魔改造の夜 技術者養成学校』に生徒役で出演している[28][29]。同年7月には日本青年会議所からJCI JAPAN TOYP2022[注 5]の会頭特別賞を受賞した[30]。
なお、同年6月21日から30日には西武渋谷店で「MUDA COLLECTION 2022 Summer ―Let’s wear useless things―」を[31][32]、同年8月8日から9月11日には渋谷センター街で「株式会社無駄渋谷支展 ―無駄なおしごと体験―」を開催[33]。また、2023年3月に西新宿のNTTインターコミュニケーション・センターで開催される「多層世界とリアリティのよりどころ」展には、藤原も「オンラインミーティング用パーティション」と「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」を出展する[34][注 6]。
2022年11月には「人の心を豊かにする「無駄づくり」活動で新しい価値観を生み出し、独自のキャリアを形成」として、日経WOMANのウーマン・オブ・ザ・イヤー2023に選出される[35]。また、2023年2月26日から3月26日にかけて毎週日曜深夜にABCテレビで放送された「今夜ぐらい脱力させて」において、ラバーガールの飛永翼とMCを務める[36][37][38]。同年7月には、「SNSを全くやっていない人」と結婚したことをブログで発表した[39][40]。
人物・作品
編集幼少時は人に迷惑をかけたくないものの規則を守るのが苦手で、葛藤を抱えていたという[7]。工作・発明にあたっては日常生活の問題から発想を得ているといい、怠け過ぎてはいけないが怠けることを認めることは大事という[17]。また、ものづくりを通して「合理性とか効率とか関係のない、本当にどうでもいいことにも価値がある」と感じるようになったと語っている[41]。
藤原の工作物・発明品には、「インスタ映えを台無しにするマシーン」[11]、「そっと耳を塞いでくれるマシーン」[42]、「寝ポテチマシーン」、「恋のおまじないをチートするマシーン」[7]、「賃貸で飼える犬」、「怒ると勝手にひっくり返るちゃぶ台」[16]、「すばやくパスタを食べられるスプーン」、「ワインを優雅に飲めるマシーン」[17]、「謝罪メールパンチングマシーン」[25]などがあり、2021年時点で200点を超える[13]。
第24回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門では、「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」が審査委員会推薦作品に選出[12]。2021年のインタビューではこれまでで最も「非合理的」で無駄なアイデアとして[15]、1位「イヤフォンを絡ませるマシーン」[41]、2位「イントロクイズ目覚まし時計」、3位「ラーメンの画像をすべてネジにするアプリ」を挙げている[15]。
当初は秋葉原にあるシェアアトリエで受け付けバイトをしながら制作していたというが[31]、東京都内に事務所兼作業場所(アトリエ)を持っている[43]。毎日アトリエに足を運ぶこと、月に2つは新作を制作すること、を心掛けているという[43][8]。3Dプリンターも使用し[43]、電子工作ではArduinoやセンサー、モータを使用する[8]。電動の作品は増えており[8]、2021年にはマネキンに光センサーやモータを搭載した「ニューノーマル・ハグ・ロボット」を製作している[43]。
工作物や発明品の制作だけでなく、YouTubeの撮影や編集も一人で実施している[43]。YouTubeでは否定的なコメントにも耳を傾けるといい、自分自身に迷いがあった場合は面白くないと評価されることが多かったという[7]。なお、『無駄づくり』の動画内で使用しているBGMは、空中カメラの楽曲[44][3]。また、空中カメラのボーカル・中村竜を除くメンバーは、高校の先輩にあたるという[45]。
主な受賞歴
編集主な出演歴
編集テレビ番組
編集- よい子はマネしないでね(CS・エンタメ~テレ、2018年3月15日 - 5月24日(全6回)) - メインMC[47]
- 魔改造の夜 技術者養成学校(NHKEテレ、2022年4月6日 - ) - 技術者養成学校の生徒役[28][29]
- 今夜くらい脱力させて(ABCテレビ、2023年2月26日 - 3月26日、全5回)- ラバーガールの飛永翼と共同MC[36][37][38]
- ふぞろいのエジソンたち〜ムダにときめく発明ラボ〜(NHK総合、2024年6月16日、篠原ともえや池澤あやかと出演)[48][49]
映画
編集- アイスクリームフィーバー(パルコ、2023年7月14日) - マリ 役[50]
ラジオ番組
編集主な著作
編集著書
編集- 『無駄なことを続けるために ― ほどほどに暮らせる稼ぎ方 ―』 ヨシモトブックス、2018年11月、ISBN 978-4847097317。
- 『考える術 ― 人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71 ―』 ダイヤモンド社 、2021年1月、ISBN 978-4478109694。
- 『無駄なマシーンを発明しよう! ― 独創性を育むはじめてのエンジニアリング ―』 登尾徳誠 監修、技術評論社、2021年7月、ISBN 978-4297122133。
寄稿
編集藤原は
などで複数の記事を執筆しており、
でも連載している[56]。2018年の著書の出版は『現代ビジネス』の記事が堀江貴文に評価されたことがきっかけだといい[7]、著書『無駄なことを続けるために 〜ほどほどに暮らせる稼ぎ方〜』の帯には堀江貴文の推薦文が付いていた[14]。また、日本文藝家協会の編集する「ベスト・エッセイ2023」に
- 「余計なことで忙しい(第10回)天井を見続ける」『文學界』第76巻第10号、2022年10月、268-270頁、CRID 1520856362154272512。
が選出されている[58]。
ほかにも
- “底辺ユーチューバーが海外で個展を開催したおはなし”. デイリーポータルZ. (2018年7月9日) 2021年4月11日(UTC)閲覧。
- “「カネ、妬み、怠け」…私が考えた欲望に負けない方法”. ダイヤモンド・オンライン. (2021年3月24日) 2021年4月11日(UTC)閲覧。
といった記事もある。
対談
編集- 吉村萬壱との対談 - 「対談 追いかけると、逃げていく「無駄」」『文學界』第77巻第1号、2023年1月、160-167頁、CRID 1520575915687560320。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c “藤原麻里菜”. Marina Fujiwara - 藤原麻里菜のウェブ. 2019年7月20日閲覧。
- ^ a b c d e 阿部洋子. “With BABY-G Vol.13 発明家・YouTuber 藤原麻里菜さん”. Girl's PARTY. CASIO. 2019年7月20日閲覧。
- ^ a b c d “無駄づくり / MUDAzukuri”. YouTube. 2024年8月13日(UTC)閲覧。
- ^ a b c d “吉本興業 退所のお知らせ”. 無駄づくり. (2020年1月21日). 2021年4月11日(UTC)閲覧。
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- ^ a b c d “コラム 「無駄づくり」で話題の藤原麻里菜さん「電気はエンタメ。怒りを電気で表現してみたい」”. Content. 電気事業連合会. (2019年11月29日) 2021年9月17日(UTC)閲覧。
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- ^ a b セブンルール公式チャンネル (2021年9月7日). “セブンルール【無駄なもの発明家 藤原麻里菜】”. YouTube. 2021年12月30日(UTC)閲覧。
- ^ a b c “「無駄が深すぎる!」ももクロ・百田夏菜子、藤原麻里菜の無駄発明に感動!”. テレ朝POST. テレビ朝日. 2021年12月30日(UTC)閲覧。
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- ^ “『見える子ちゃん』と「無駄づくり」の藤原麻里菜がコラボ! 怖いシーンをスルーできるマシーンを発明”. ダ・ヴィンチニュース. (2022年3月25日) 2022年4月17日(UTC)閲覧。
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- ^ a b c “TOYP2022各賞の受賞者の決定!!”. 日本青年会議所. (2022年7月2日) 2023年2月13日(UTC)閲覧。
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- ^ “西武渋谷に"無駄な発明品"が集結、藤原麻里菜によるイベント開催”. FASHIONSNAP.com. レコオーランド. (2022年6月9日) 2023年2月12日(UTC)閲覧。
- ^ “渋谷で「無駄づくり」クリエーター藤原麻里菜さん企画 「札束ビンタ」作品など”. シブヤ経済新聞. 2024年6月19日(UTC)閲覧。
- ^ a b “NTTインターコミュニケーション・センター [ICCにて「多層世界とリアリティのよりどころ」展が開催]”. (2023年2月9日) 2023年2月13日(UTC)閲覧。
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- ^ a b お笑いナタリー編集部 (2023年2月13日). “ラバーガール飛永と発明家・藤原麻里菜がMC、知らない者同士のリモート食事見守る”. お笑いナタリー. 2023年8月20日(UTC)閲覧。
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- ^ 藤原麻里菜 (2023年7月11日). “結婚しました”. 藤原麻里菜のウェブ. はてなブログ. 2023年8月20日(UTC)閲覧。
- ^ a b ダイヤモンド社書籍編集局(取材・構成 樺山美夏、撮影 柳原美咲) (2021年2月27日) “『考える術』著者・藤原麻里菜インタビュー【必見】「史上最高に無駄な発明」ベスト3 p.2”. ダイヤモンド・オンライン. 2021年4月11日(UTC)閲覧。
- ^ “【無駄づくり】「そっと耳を塞いでくれるマシーン」を作って聞きたくない話をスルーしよう”. となりのカインズさん. 2021年4月11日(UTC)閲覧。
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- ^ togenkyooのツイート(378133300562251777)[信頼性要検証]
- ^ 藤原麻里菜 (2014年1月11日). “ギターでゾンビを退治!”. 藤原麻里菜のウェブ. はてなブログ. 2023年8月20日(UTC)閲覧。
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- ^ “https://twitter.com/muda_zukuri/status/1628333780816764929”. Twitter. 2023年2月22日閲覧。
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- ^ 藤原麻里菜「余計なことで忙しい(第1回)メルカリで知らん子の絵を買う」『文學界』第76巻第1号、2022年1月、200-202頁、CRID 1521980706170662400。藤原麻里菜「余計なことで忙しい(第20回)5月中は傘を差さない」『文學界』第77巻第8号、2023年8月、46-48頁、CRID 1520296807933845504。
- ^ “ベスト・エッセイ2023”. 一般図書. 光村図書出版. 2023年8月20日(UTC)閲覧。
外部リンク
編集- 無駄づくり - 公式サイト
- MUDA-zukuri / 無駄づくり / 無用發明 - 各種SNSなどへのリンクあり
- 搬入口データベース - Tumblr
(取材・インタビュー)
- オールナイトニッポン公式チャンネル (2013年9月22日). 9.21 SAT オードリーのオールナイトニッポン w/藤原麻里菜 - YouTube(8分20秒頃から動画紹介、12分13秒頃から出演)
- テレビ東京公式 TV TOKYO (2021年7月12日). 23時の密着テレビ レベチな人、見つけた~特別編集版~「発明家・藤原麻里菜」 - YouTube
- JPOちゅーぶ【特許庁】 (2023年3月23日). “無駄”は未来への価値~藤原麻里菜さんに聞く「物づくりの発想法」~ - YouTube