落葉 (吹奏楽曲)
『落葉』(らくよう、The Leaves Are Falling)は、アメリカの作曲家ウォーレン・ベンソンの吹奏楽曲。
概説
編集アメリカの音楽フラタニティの一つ、カッパ・ガンマ・プサイ (Kappa Gamma Psi) の委嘱で1963年11月22日[1]から1964年1月24日にかけて作曲され、1964年4月30日にイーストマン音楽学校のイーストマン劇場でクライド・ローラーの指揮、イーストマン・ウィンド・アンサンブルの演奏により初演された。
オーストリアの詩人リルケの『形象詩集』(Das Buch der Bilder)の中の「秋」(Herbst)にインスパイアされた作品である。曲名はその一節から取られており、フルスコアには英訳された詩が記されている。
マルティン・ルターの讃美歌「神はわがやぐら」の旋律をモチーフに、遅いテンポで緊張感に満ちた透明感のあるオーケストレーションで貫かれている。作曲にあたってベンソンが意識したのは、当時の吹奏楽のための標準的なレパートリーよりも息の長い、切れ目なく続く作品を提供することと、複数の楽想を重ね合わせる「モンタージュ」の手法だった。ドナルド・ハンスバーガーは、「吹奏楽のレパートリーのなかで、間違いなく特に演奏の難しい作品の一つ」と述べている[2]。
楽譜は1966年にアメリカのピードモント(Piedmont Music Company)から出版され、エドワード・マークス(Edward B. Marks Music Corporation)から販売された。
演奏時間は11分30秒(スコアの記載による)。
編成
編集木管 | 金管 | 弦・打 | |||
---|---|---|---|---|---|
Fl. | 2, Picc. | Crnt. | 3, Tp. 3 | Cb. | ● |
Ob. | 2, C.A. | Hr. | 4 | Timp. | ● |
Fg. | 2, Cfg. | Tbn. | 3 | 他 | Bells, Chimes, Tri. 2, Claves, Susp.Cym., Tam-t., B.D. |
Cl. | 3, Alto, Bass, C-Alto, C-Bass | Bar. | ● | ||
Sax. | Sop. 1 Alt. 1 Ten. 1 Bar. 1 | Tub. | ● | ||
その他 | Harp (or Piano) |
- B♭ソプラノサクソフォーンがないときのためにもう1パートのアルトサクソフォーンが、コントラファゴットがない(もしくは重ねる)ときのためにB♭バスサクソフォーンが、それぞれオプションとして用意されている。
構成
編集Expressively, with steady rhythm (2分音符=32-34)、2分の2拍子。
前半はベンソンのオリジナルの素材によって作られており、後半はそれがほぼ忠実に繰り返されると同時に「神はわがやぐら」が重ね合わされる。
注釈
編集- ^ ジョン・F・ケネディの暗殺を知ったことが作曲に影響を与えたとベンソンは語っている。Hunsberger, Donald (1984) "Discussion with Warren Benson (PDF) " p.8. 2020年1月12日閲覧。
- ^ Hunsberger, p. 8.