荒西祐大
荒西 祐大(あらにし ゆうだい、1992年8月25日 - )は、熊本県玉名市出身[1]のプロ野球選手(投手)、野球指導者。右投右打。
火の国サラマンダーズ 選手兼監督代行兼投手コーチ #20 | |
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オリックス時代 (2021年8月15日) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 熊本県玉名市[1] |
生年月日 | 1992年8月25日(32歳) |
身長 体重 |
178 cm 83 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2018年 ドラフト3位 |
初出場 | 2019年4月16日 |
最終出場 | 2020年10月14日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
選手歴 | |
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指導者歴 | |
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この表について
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経歴
編集プロ入り前
編集玉名市立玉水小学校在学中に天水少年野球クラブで野球を始める[1]。天水中学校時代は同校の軟式野球部に所属[2]。
2008年、中学卒業とともに熊本県立玉名工業高等学校に進学し、1年夏からベンチ入り[1]。2年からはエースを務めたが、3年夏(2010年)は熊本県大会4回戦で牧原大成を擁する城北に敗れ[3]、高校3年間を通じて甲子園出場は果せなかった。
2011年、高校卒業後は社会人野球のHonda熊本に入社。8年間の在籍中に都市対抗野球大会に7回出場した[2]。2017年には第88回都市対抗野球大会1回戦の日本製紙石巻戦で10奪三振の完封勝利を挙げる[4]。同年11 - 12月に開催されたアジアウインターベースボールリーグではJABA選抜チームに選出され、5試合登板で9イニングを被安打8、6奪三振、1四球、防御率0.00の成績を残した[4]。2018年はアジア競技大会の野球日本代表に選出され、6試合登板で6回2/3を被安打4、8奪三振、無四球、防御率0.00の成績を残し、日本の銀メダル獲得に貢献した[5][6][7]。
2018年10月25日に行われた2018年度ドラフト会議でオリックス・バファローズから3位指名を受けた[8]。Honda熊本入社から8年をかけてのドラフト指名となり、また26歳での指名は同年ドラフトにおける最年長指名でもあった[5][4]。契約金6500万円・年俸1100万円(推定)の条件で契約を結び、背番号は15となった[5]。担当スカウトは山口和男[9]。背番号15は、2018年限りで現役を引退したHondaの先輩に当たる佐藤達也の背番号を引き継いだものであり、荒西も「素晴らしい番号を頂いたので、大先輩である佐藤達也さんのように、結果を残しファンに愛される選手になりたい」と抱負を語った[10][11]。
オリックス時代
編集2019年は開幕を二軍で迎える。4月16日に中継ぎ要員として一軍昇格し、同日の北海道日本ハムファイターズ戦でプロ初登板を果たしたが、3試合の登板のみで4月22日に登録抹消された[12]。その後6月13日の中日ドラゴンズ戦でプロ初先発し、6回で8安打を打たれつつも要所を締め無失点に抑えたが、打線の援護なく勝敗はつかず[13]。2度目の先発となった6月22日の広島東洋カープ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で、5回1/3を1失点でプロ初勝利を挙げた[14]。
2020年は先発ローテーション入りを期待され、開幕前には投球フォームをスリークォーターからプロ入り前のサイドスローに変更[15]。6月4日、福岡ソフトバンクホークスとの練習試合で先発登板するも、3回2失点での降板となった[16]。シーズン開幕後は29試合に登板したが、先発登板はなく全て中継ぎでの登板となり、防御率4.88でシーズンを終えた。
2021年は一軍登板がなく10月5日に戦力外通告を受けた[17]。
なお、2021年12月8日メットライフドームで行われた、12球団合同トライアウトに参加し、打者3人に対し3奪三振を記録し、球速はサイドスローで145km/hを記録した[18]。
BCL・信濃時代
編集2022年1月14日、ベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)の信濃グランセローズに選手兼任投手コーチとして入団することが発表された[19]。発表に際してのコメントで、NPB復帰を目指すと述べた[19]。初年度は7勝3敗、防御率2.29の成績を挙げ、勝利数と防御率はいずれもチームで2番目だった[20]。この年、信濃は地区優勝を達成したためポストシーズンゲームに進出し、茨城アストロプラネッツとのプレーオフ第2戦[21]、および高知ファイティングドッグスとのグランドチャンピオンシップ(GCS)準決勝[22]にそれぞれ先発して勝利投手となった。シーズン終了後の10月14日に、2023年シーズンも選手兼任コーチとして留任することが発表された[23]。
独立リーグ2年目となる2023年シーズンはNPB復帰の意欲が薄れ、現役としてチームの勝利に貢献する投球をする以外に、兼任コーチとして若い選手を育てることにやりがいを見出すようになった[24]。シーズン終了後の10月5日、自身の申し出によるコーチの退任と選手としての自由契約が発表され、信濃を退団した[25]。
KAL・熊本時代
編集2023年10月18日、出身地である熊本県に所在する、九州アジアリーグ(ヤマエグループ 九州アジアリーグ)の火の国サラマンダーズに選手兼任投手コーチとして入団が内定したことが発表された。発表に際してのコメントでは、熊本の野球界への恩返し、チームのGCS3連覇を掲げている[26]。
選手としての特徴・人物
編集最速149km/hのストレートを投じる[10]。変化球はスライダーのキレを武器とし、シンカーも用いる[5][10]。打者の両サイドに投げ分けるコントロールの良さと、強気のピッチングスタイルが持ち味[4][11]。投球フォームは、社会人時代にサイドスローで投げていたが、プロ入り後に徐々に腕の角度を上げてスリークォーター気味のフォームになったが、2020年に再度サイドスローに戻している[15]。
愛称は「あらちゃん」[28]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | オリックス | 13 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | .200 | 221 | 51.2 | 55 | 6 | 18 | 0 | 2 | 42 | 1 | 0 | 32 | 32 | 5.57 | 1.41 |
2020 | 29 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | ---- | 135 | 31.1 | 31 | 6 | 11 | 0 | 2 | 21 | 1 | 0 | 18 | 17 | 4.88 | 1.34 | |
通算:2年 | 42 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 3 | .200 | 356 | 83.0 | 86 | 12 | 29 | 0 | 4 | 63 | 2 | 0 | 50 | 49 | 5.31 | 1.39 |
- 2021年度シーズン終了時
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | オリックス | 13 | 0 | 6 | 1 | 1 | .857 |
2020 | 29 | 2 | 7 | 0 | 1 | 1.000 | |
通算 | 42 | 2 | 13 | 1 | 2 | .938 |
- 2021年度シーズン終了時
記録
編集- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2019年4月16日、対北海道日本ハムファイターズ4回戦(京セラドーム大阪)、9回表に4番手で救援登板・完了、1回無失点
- 初奪三振:2019年4月20日、対東北楽天ゴールデンイーグルス5回戦(楽天生命パーク宮城)、4回裏に茂木栄五郎から空振り三振
- 初先発:2019年6月13日、対中日ドラゴンズ3回戦(京セラドーム大阪)、6回無失点で勝敗つかず
- 初勝利・初先発勝利:2019年6月22日、対広島東洋カープ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、5回1/3を1失点
- 初ホールド:2020年7月26日、対東北楽天ゴールデンイーグルス9回戦(楽天生命パーク宮城)、7回裏に3番手で救援登板、2/3回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2019年6月22日、対広島東洋カープ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、3回表にアドゥワ誠から空振り三振
独立リーグでの年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 信濃 | 17 | 17 | 2 | 0 | 0 | 7 | 3 | 0 | 0 | .700 | 443 | 114.0 | 104 | 4 | 6 | - | 5 | 90 | 0 | 0 | 33 | 29 | 2.29 | 0.96 |
2023 | 17 | 14 | 1 | 0 | 0 | 7 | 5 | 0 | 0 | .583 | 350 | 85.1 | 83 | 6 | 18 | - | 1 | 79 | 2 | 0 | 29 | 27 | 2.85 | 1.18 | |
2024 | 火の国 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1.000 | 45 | 11.1 | 12 | 1 | 2 | - | 1 | 13 | 1 | 0 | 7 | 7 | 5.56 | 1.24 |
BCL:2年 | 34 | 31 | 3 | 0 | 0 | 14 | 8 | 0 | 0 | .636 | 793 | 199.1 | 187 | 10 | 24 | - | 6 | 169 | 2 | 0 | 62 | 56 | 2.53 | 1.06 | |
KAL:1年 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1.000 | 45 | 11.1 | 12 | 1 | 2 | - | 1 | 13 | 1 | 0 | 7 | 7 | 5.56 | 1.24 |
- 2024年シーズン終了時
背番号
編集- 15(2019年 - 2021年)
- 20(2022年 - )
登場曲
編集- 「シグナル」WANIMA(2019年 - )
脚注
編集- ^ a b c d “玉名市からプロ野球選手が誕生 ホンダ熊本・荒西祐大投手”. 玉名市 (2018年12月6日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ a b “オリックス・バファローズ 荒西祐大”. 週刊ベースボールONLINE. 2019年4月16日閲覧。
- ^ “選んだ道、悔いなし 完投した玉名工・荒西祐大投手”. asahi.com(朝日新聞社) (2010年7月23日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ a b c d “指名漏れの常連からドラ3でプロへ。「精密機械」荒西祐大は即戦力だ”. web Sportiva (2019年1月10日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ a b c d “西がFAでも…あら?西がいた!?オリックス ドラ3・荒西に即戦力期待”. デイリースポーツ (2018年11月15日). 2020年5月31日閲覧。
- ^ “全世代侍ジャパン選手リスト 荒西 祐大”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. 2019年4月16日閲覧。
- ^ “2018年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~社会人代表編~”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2018年10月29日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ “2018年度ドラフト会議 契約交渉権獲得選手”. オリックス・バファローズ (2018年10月25日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ “【野球】オリックスはなぜ山本由伸をドラフト4位で指名できたのか?”. デイリースポーツ (2020年4月22日). 2022年4月20日閲覧。
- ^ a b c “オリD3位・荒西が仮契約 背番号「15」”. サンケイスポーツ (2018年11月16日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ a b “オリックス3位荒西が仮契約 先輩佐藤達也15番に”. 日刊スポーツ (2018年11月15日). 2019年4月16日閲覧。
- ^ “苦戦が続くオリックス。ルーキー・荒西祐大がプロ初先発で勝利となるか”. パ・リーグインサイト (2019年6月13日). 2019年6月22日閲覧。
- ^ “オリックス・荒西、初星お預け”. サンケイスポーツ (2019年6月14日). 2019年6月22日閲覧。
- ^ “オリックス荒西プロ初勝利、17年指名漏れから成長”. 日刊スポーツ (2019年6月22日). 2019年6月22日閲覧。
- ^ a b “オリックス荒西が原点回帰サイドスローで勝負の先発”. 日刊スポーツ. (2020年6月3日) 2021年10月30日閲覧。
- ^ “オリックス荒西「反省」新投球フォームも3回2失点”. 日刊スポーツ. (2020年6月4日) 2021年10月30日閲覧。
- ^ “オリックスが吉田一ら8選手に戦力外通告 3年目荒西、育成ルーキーの古長も”. BASEBALL KING (2021年10月5日). 2021年10月30日閲覧。
- ^ “【トライアウト】3年間オリックス在籍の荒西祐大、サイドスローから打者3人全て空振り三振「全力でアピールするだけ」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2021年12月8日). 2022年4月20日閲覧。
- ^ a b 選手兼任投手コーチ就任のお知らせ - 信濃グランセローズ(2022年1月14日)
- ^ 2022年投手成績ランキング - ベースボール・チャレンジ・リーグ
- ^ BCL2022プレーオフ 2022/9/18(日) 日立市市民運動公園野球場ボックススコア - 一球速報.com
- ^ 日本独立リーググランドチャンピオンシップ2022 2022/9/30(金) リブワーク藤崎台球場(藤崎台県営野球場) - 一球速報.com
- ^ “BC信濃 柳沢監督、5季目の指揮へ 伊藤、荒西コーチも続投”. 信濃毎日新聞. (2022年10月15日) 2023年4月20日閲覧。
- ^ 阿佐智「強豪相手の好投で人生を変えた元オリックス右腕が社会人ジャパンの晴れ舞台アジア大会を振り返る」『Yahoo!ニュース』2023年9月28日。2023年10月18日閲覧。
- ^ 伊藤コーチ、荒西コーチ退団のお知らせ - 信濃グランセローズ(2023年10月5日)2023年10月5日閲覧。
- ^ “新入団選手兼任コーチについて”. 火の国サラマンダーズ (2023年10月18日). 2023年10月18日閲覧。
- ^ 「ローズ監督退任について」火の国サラマンダーズ、2024年2月15日。2024年2月15日閲覧。
- ^ “15 荒西 祐大 選手名鑑2019|オリックス・バファローズ”. オリックス・バファローズ オフィシャルサイト. 2021年8月22日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 荒西祐大 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube