茶運び人形
江戸時代に製作されたからくり人形
概要
編集機械的に入力に応答して出力する自動制御の要素を備えていた。茶を入れた茶碗を人形が持った茶托に乗せると客人のいる所まで運び、客人が茶碗を取ると停止する。客人が茶を飲み、空になった茶碗を茶托に戻すと、踵を返して茶碗を元の場所まで運ぶ。
現在良く知られる茶運び人形は寛政9年(1796年)に出版された細川半蔵の著書である『機巧図彙』(からくりずい)の記述を元に復元されものだが、現在各地に残る茶運び人形は機構上、『機巧図彙』で解説されるものとは異なるところがあり、『機巧図彙』に沿って制作された江戸時代のものは確認されていない。
かねてより、一部の愛好家が復元を試みており、1982年には日本模型からプラスチック製の茶運び人形が発売された。2002年11月には「学研の大人の科学シリーズVol.8」で発売され、2007年に発売された大人の科学マガジンVol.16ではミニ茶運び人形が付録についた[1]。
出典
編集- ^ 『大人の科学magazine』(Vol.16) 学研教育出版 2007年 ISBN 978-4056048124
参考文献
編集- 立川昭二 『からくり』〈『ものと人間の文化史』〉 法政大学出版局、1969年 ASIN: B000JA2X4M
- 『からくり 人形と文化』 名古屋市博物館、1978年 ASIN: B000J8QHO6
- 高梨生馬 『からくり人形の文化誌』 学芸書林、1991年 ISBN 978-4905640776
- 鈴木一義 『からくり人形 微笑みに隠された江戸の夢、ハイテクの秘密』 学習研究社、1994年 ISBN 978-4054002159
- 立川昭二 『甦えるからくり』 NTT出版、1994年 ISBN 978-4871882675
- 千田靖子 『からくり人形師 玉屋庄兵衛伝 初代から九代まで』 中日出版社、1998年 ISBN 978-4885191381
- 立川昭二他 『図説からくり 遊びの百科全書』(『ふくろうの本』) 河出書房新社、2002年 ISBN 978-4309760155
- 鈴木一義監修 『見て楽しむ江戸のテクノロジー』 数研出版、2006年 ISBN 978-4410138867
- 本康宏史 『からくり師大野弁吉とその時代 技術文化と地域社会』 岩田書院、2007年 ISBN 978-4872944808
- 『大人の科学magazine』(Vol.16) 学研教育出版 2007年 ISBN 978-4056048124
- 村上和夫 『完訳からくり図彙』並木書房、2014年 ISBN 978-4-89063-321-0
関連項目
編集外部リンク
編集- 日本からくり研究会公式サイト - 会長橋本のサイト
- 石川県金沢港大野からくり記念館
- 大人の科学/大江戸からくり人形 - 茶運び人形
- 拾珎御伽璣訓蒙鑑草. 松竹梅(多賀谷環中仙著, 稀書複製会編, 米山堂, 1929) - 江戸初期のからくり解説書
- からくり人形の歴史 - 九代玉屋庄兵衛後援会
- 16世紀のオートマタ・ザ・モンク - 茶運び人形と同じ走行メカ
- ザ・モンク動画 - 茶運び人形の元祖か?