花枝羹(かしかん、ホアズーゲン[1]、ファーツーゲン[2])は、台湾料理台湾小吃の1種。定番料理の1つであり、日本では「イカの餡掛けスープ」と紹介されることもある[3]

九層塔を加えた花枝羹(前)

概要

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餡掛けのようにとろみのついたスープは、旨味を中に閉じ込め、冷めにくい[1]。冷めにくいことから、テイクアウトが多い台湾では、「羹」(げん)、餡掛け料理は重宝がられている[1]。「花枝」はイカ(コウイカ目のイカ[注釈 1])の意で[4]イカのすり身団子(つみれ)やゲソを入れた[2]花枝羹は「羹」の中でも人気の高い料理である[1]

ビーフン(米粉)を入れた「花枝羹米粉」もある[2]

歴史

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現在の台湾人の7割以上は閩南系移民の子孫である[5]17世紀に閩南から台湾へ移民してきたのは、ほとんどが独身の男性であり、農業に従事していた[5]。そんな移民男性たちには、作り方が簡単で食べ応えもある「羹」が人気となり、肉、イカ、エビなどの「羹」が生まれていった[5]

その後、「羹」は庶民料理の代表例となった[5]

脚注

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注釈

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  1. ^ 中国、台湾ではスルメイカなどの真イカは「魷魚」、コウイカなどを「花枝」、アオリイカなどを「軟絲」など、呼び分ける[4]

出典

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  1. ^ a b c d 光瀬憲子 (2017年11月30日). “朝から栄養たっぷり!「台北のとっておき朝ごはん」5選【台湾グルメ】”. ウレぴあ総研. 2025年1月29日閲覧。
  2. ^ a b c 柳沢小実「花枝羹」『わたしのすきな台北案内』マイナビ、2015年、45頁。ISBN 978-4839955878 
  3. ^ ペギー・キュウ「いかのあんかけスープ(花枝羹}」『決定版!日本の調味料と食材で とっておきペギーさんの台湾レシピ』KADOKAWA、2022年、30頁。ISBN 978-4048969802 
  4. ^ a b 酒雄 (2023) (中国語). 日本點餐完全圖解【新品追加版】:看懂菜單╳順利點餐╳正確吃法,不會日文也能前進燒肉、拉麵、壽司、居酒屋10大類餐廳食堂. 創意市集. p. 77. ISBN 978-6267149386 
  5. ^ a b c d 『日語跟我學! 帶日本朋友遊台灣』三修社、2022年、58-59頁。ISBN 978-4384060218