色素レーザー
概要
編集励起の方法として短波長の光源でローダミン等の蛍光色素を励起して誘導放出を発生させる。
電離した気体を利用する気体レーザーや半導体レーザーではレーザー媒体の固有の波長の発振になり、自由電子レーザーや波長可変レーザー等、一部を除いて所望の波長が得るのが困難だが、色素レーザーでは分子構造により所望の波長を得る事が可能。そのため、ウラン濃縮のように特定の同位体のみの励起に適した波長を得る場合に使用される[1]。また、癌の治療で特定の腫瘍組織に吸収されやすい波長のレーザー光を照射する場合にも使用される[2][3]。
色素レーザーには液体の溶媒に蛍光色素を分散させて循環する液体レーザーと高分子に蛍光色素を分散させた高分子色素レーザーがある[4][5]。液体レーザーではレーザー媒体を循環することにより、劣化した色素を交換することができる。
用途
編集- ウラン濃縮
- 癌の治療などの医療関係
脚注
編集- ^ 山田尚史、内山晴夫、十文字正憲「高出力色素レーザの装置パラメータの最適化」『八戸工業大学紀要』第16巻、1997年、35–39。
- ^ 岩崎泰政「単純性血管腫に対する色素レーザーによる治療効果の臨床的および組織学的検討」『日本皮膚科学会雑誌』第104巻第6号、1994年、767頁。
- ^ 奥島憲彦「食道表在癌の内視鏡下レーザー光化学治療に関する研究」『日本消化器内視鏡学会雑誌』第29巻第6号、1987年、1105–1115。
- ^ 武藤真三、et al.「プラスチックファイバー色素レーザーの動作特性」『応用物理』第56巻第1号、1987年、114–119。
- ^ 佐々木敬介「固体化色素レーザーおよび固体化色素ドープ増幅器」『応用物理』第64巻第9号、1995年、899–903。