艘別銭
艘別銭(そうべつせん)は、中世日本の港湾において船舶に課された津料(通行税)の一種。
1艘ごとに銭貨を賦課した。地域や時代によって名称が異なる。畿内の兵庫津や淀津、渚院では艘別銭と呼ばれていたが、関東の品川湊や神奈川湊では、帆別銭(ほべつせん)という名称が用いられ、南北朝時代以後には艘別銭や帆別銭と並んで目銭(もくせん)という名称も用いられた事例がある。
なお他の津料との名称の違いについて、年貢米などの米を輸送する船からは升米を、その他雑物を輸送する船からは米に代えて銭貨を艘別銭・帆別銭として徴収したとする説があるが、確証は存在しない。
参考文献
編集- 小林保夫「艘別銭」(『日本史大事典 4』(平凡社、1993年) ISBN 978-4-582-13104-8)