臼太鼓(ウスデーク)は、沖縄本島、その周囲の島々にて女性だけが行う、神に豊年満作を祈願する円陣舞踊。太鼓に合わせて10曲程を踊る。 現在では、沖縄本島を中心に約60か所ほどで伝承が確認されている。また、比較的旋律を長く伸ばして歌う曲が多いことが特徴[1]。 本項では、沖縄県名護市嘉陽地区の臼太鼓について解説する。

名護市 嘉陽地区の臼太鼓

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沖縄県名護市嘉陽地区では、毎年、旧暦の8月15日に遊び庭(アスイマー)で行う。初めに、旧暦の8月11日に天仁屋殿内(ティンナドゥンチ)にて、果物を供え、豊年、厄払いの祈願をした後、奉納の踊りをする。踊り手は老人女性や婦人で、古くから継承されている。衣装は、紺地の着物に、水玉手ぬぐいを前結びに鉢巻をして、紫帯を前結びに締めている[2]。 太鼓は、戦前は締太鼓が使われていたが、現在は、鋲留め太鼓が使われている[1]

起源

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起源は明らかにはなっていないが、かなり古くから続いている歴史ある行事である[2]

曲目

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嘉陽地区の臼太鼓で、現在まで残り上演されている曲は、9曲ある[3]

入場曲
  • いかりかり

臼太鼓の冒頭で、円陣を作る際に歌う。

踊り曲
  • 金武節(きんぶし)
  • 干瀬節(ひしぶし)
  • 思や木(うむやぎー)
  • 仲村渠節(なかんかりぶし)
  • 東駒節(ひがしくまぶし)
  • 恩納節(おんなぶし)
退場曲
  • 今日ぬ誇らさ(きゆぬふくらさ)
ちらし曲
  • 九年母ん木(くぬぶんぎー)

退場後に再び円陣を作り踊る。

脚注

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  1. ^ a b 小林公江 & 小林幸男 2015, p. 2.
  2. ^ a b 名護市史編さん委員会(編) 2012, p. 772.
  3. ^ 小林公江 & 小林幸男 2015, pp. 15–17.

参考文献

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  • 名護市史編さん委員会(編)『名護市史』名護市役所〈本編8 芸能 資料編〉、2012年5月15日。 NCID BB12020017 
  • 小林公江、小林幸男『沖縄県名護市嘉陽の臼太鼓』2015年3月15日。