臭化パラジウム(II)
臭化パラジウム(II)(しゅうかパラジウム、Palladium(II) bromide)は、パラジウムと臭素からなる無機化合物で、化学式はPdBr2である。塩化パラジウム(II)ほど一般的ではないが市販されており、パラジウム化学の出発点の1つとなっている。塩化物とは異なり、臭化パラジウム(II)は水に不溶であるが、アセトニトリル中で加熱することで溶解し、単量体アセトニトリル付加物を与える[1]。
臭化パラジウム(II) | |
---|---|
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13444-94-5 |
PubChem | 83469 |
ChemSpider | 75307 |
EC番号 | 236-588-2 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | Br2Pd |
モル質量 | 266.23 g mol−1 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | フッ化パラジウム(II) 塩化パラジウム(II) ヨウ化パラジウム(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
- PdBr2 + 2 MeCN → PdBr2(MeCN)2
臭化パラジウム(II)の構造は、X線結晶構造解析により決定された。結晶はP21/c空間群に分類され[2]、波打ったリボンと一端を共有したPdBr4錯体平面から構成される[3]。
出典
編集- ^ O. A. Zalevskaya, E. G. Vorob’eva1, I. A. Dvornikova and A. V. Kuchin (2008). “Palladium complexes based on optically active terpene derivatives of ethylenediamine”. Russian Journal of Coordination Chemistry 34 (11): 855-857. doi:10.1134/S1070328408110110.
- ^ K. Brodersen G. Thiele H. Gaedcke (1966). “Die Konstitution des Palladium(II)‐bromids”. Z. Anorg. Allg. Chem. 348 (3-4): 162-167. doi:10.1002/zaac.19663480307.
- ^ “Information card for entry 1534319”. Crystallography Open Database. 2020年5月3日閲覧。