腺性歯原性嚢胞
腺性歯原性嚢胞(せんせいしげんせいのうほう、Glandular Odontogenic Cyst;GOC)は歯原性嚢胞の一つ。X線画像上では、単房性もしくは多房性の透過像を示す。
1988年にGardnerらによって報告され[1]、1992年のWHO分類にて歯原性発育性嚢胞の一種と分類された[2]稀な疾患。
疫学
編集およそ80%が下顎骨に発生し[3]、特に前歯部での発生が多い[4][5]。患者の平均年齢は40歳代[6]であるが、10歳代から90歳代まで報告があり[7]、男女比はほぼ同数かわずかに男性が多い[8]。
治療法
編集嚢胞摘出術[4][7][9][10][5]や掻爬[11]を治療法として報告していることが多いが、大きなものでは下顎骨辺縁切除術・下顎骨区域切除術・上顎部分切除術といった顎骨切除を行った例や[9][5]、生検のみや経過観察を行った例も報告されている[5]。
予後
編集関連項目
編集脚注
編集参考文献
編集- Ivor R.H. Kramer , J.J. Pindborg , M. Shear (1992-02-06) (English). Histological Typing of Odontogenic Tumours. WHO. World Health Organization. International Histological Classification of Tumours (2nd ed.). Berlin/Heidelberg: Springer. p. 32. ISBN 9783540541424
- Kahn, Michael A. Basic Oral and Maxillofacial Pathology. Volume 1. 2001.
- Gardner DG; Kessler HP, Morency R, Schaffner DL (Sep 1988). “The glandular odontogenic cyst: an apparent entity.”. Journal of oral pathology. (Copenhagen, Denmark: Munksgaard) 17 (8): 359-366. ISSN 0300-9777. PMID 3146620.
- Kaplan I, Gal G, Anavi Y, Manor R, Calderon S (Apr 2005). “Glandular odontogenic cyst: treatment and recurrence.”. Journal of oral and maxillofacial surgery (United States: Elsevier for the American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons) 63 (4): 435-441. doi:10.1016/j.joms.2004.08.007. ISSN 0278-2391. PMID 15789313.
- 岩渕博史、岩渕絵美、内山公男、高森康次、永井哲夫、田中陽一「下顎骨に発生した腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第52巻第12号、日本口腔外科学会、2006年12月20日、703-707頁、doi:10.5794/jjoms.52.703、ISSN 0021-5163、NAID 10018858682、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/52.703。
- 岡本喜之、川田賢介、岩井俊憲、小澤幹夫、菊地良直、石川好美「右側下顎智歯部に発生した腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第52巻第1号、日本口腔外科学会、2006年1月20日、11-14頁、doi:10.5794/jjoms.52.11、ISSN 0021-5163、NAID 10018860517、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/52.11。
- 北山若紫、山本一彦、小松祐子、青木久美子、藤本昌紀、桐田忠昭「下顎骨に生じた腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第54巻第3号、日本口腔外科学会、2008年3月20日、164-168頁、doi:10.5794/jjoms.54.164、ISSN 0021-5163、NAID 10027088112、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/54.164。
- 笠原慎太郎、瀬川清、工藤啓吾、泉沢充、武田泰典「上顎前歯部に発生した腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第47巻第11号、日本口腔外科学会、2001年11月20日、688-691頁、doi:10.5794/jjoms.47.688、ISSN 0021-5163、NAID 10009461099、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/47.688。
- 平田康、岩本康弘、宮本亮三、吉増秀實、天笠光雄、岡田憲彦「下顎前歯部に発生した腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第50巻第1号、日本口腔外科学会、2004年1月20日、27-30頁、doi:10.5794/jjoms.50.27、ISSN 0021-5163、NAID 10014281946、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/50.27。
- 山近重生、中川洋一、寺田知加、川口浩司、瀬戸皖一、石橋克禮「術後12年で再発を認めた下顎骨体部腺性歯原性嚢胞の1例」『日本口腔外科学会雑誌』第52巻第10号、日本口腔外科学会、2006年10月20日、527-531頁、doi:10.5794/jjoms.52.527、ISSN 0021-5163、NAID 10018859155、JOI:JST.Journalarchive/jjoms1967/52.527。