脚鬚類
脚鬚類(きゃくしゅるい、Pedipalpi)は、鋏角亜門・クモガタ綱に属する節足動物の分類群。ウデムシ・サソリモドキ・ヤイトムシから構成されており、クモなどと共に四肺類(Tetrapulmonata)をなす[3][4]。
脚鬚類 | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Pedipalpi Latreille, 1806[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
脚鬚類[2] | |||||||||||||||||||||
目 | |||||||||||||||||||||
概要
編集脚鬚類の学名「Pedipalpi」は触肢(pedipalp)の意、これは本群で捕獲器に特化した触肢に因んでいる[3]。脚鬚類をクモから区別できる共有形質は、特化した触肢の他に、感覚用の細長い第1脚・3節に細分される第2-4脚の跗節・腿節と膝節の関節にある左右非対称の屈筋・咽頭の筋肉を支えるように特化した触肢基節・はさみ型に近い折り畳みナイフ型の鋏角・鋏角の牙状節に繊毛をもつ、などが挙げられる[5][3]。
四肺類 |
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現生クモガタ類に限れば、脚鬚類はクモに最も近縁の分類群であり、四肺類を構成する姉妹群となっている[4]。ただし化石群の四肺類をも含む場合、Uraraneida類とコスリイムシは、それぞれクモと脚鬚類に近縁の姉妹群であると考えられる。脚鬚類とコスリイムシはSchizotarsataを構成し、3節に細分された第2-4脚の跗節を共有派生形質とする[5][3]。
クモとウデムシは姉妹群で、Labellataを構成するという対立仮説もあるが、脚鬚類説の方が形態学と分子系統学の両方に広く認められる[5][4][3]。
定義の変遷
編集→「有鞭類 § 定義の変遷」も参照
20世紀初期まで、脚鬚類はクモガタ綱の1目(脚鬚目、ムチサソリ目)としてまとめられた[6][7]。当時の有鞭亜目(Uropygi)と無鞭亜目(Amblypygi)が後に2つの目に分かれ(当時のヤイトムシ類は有鞭亜目=サソリモドキ目に含まれた)、更に1945年以降からは3つの目に分かれて21世紀の現在に至る[3]。
脚注
編集- ^ Latreille, P.A. (1806 [1806-1809]). Genera crustaceorum et insectorum secundum ordinem naturalem in familias disposita, iconibus exemplisque plurimis explicata. Amand Koenig, Paris 1.
- ^ 島野智之「なぜダニ類はクモガタ類の中で最も種数が多いのか?」『タクサ 日本動物分類学会誌』第44巻、日本動物分類学会、2018年、4-14頁。
- ^ a b c d e f Garwood, Russell J.; Dunlop, Jason (2014-11-13). “Three-dimensional reconstruction and the phylogeny of extinct chelicerate orders”. PeerJ 2. doi:10.7717/peerj.641. ISSN 2167-8359. PMC 4232842. PMID 25405073 .
- ^ a b c Regier, Jerome C.; Shultz, Jeffrey W.; Zwick, Andreas; Hussey, April; Ball, Bernard; Wetzer, Regina; Martin, Joel W.; Cunningham, Clifford W. (2010-02). “Arthropod relationships revealed by phylogenomic analysis of nuclear protein-coding sequences” (英語). Nature 463 (7284): 1079–1083. doi:10.1038/nature08742. ISSN 0028-0836 .
- ^ a b c Shultz, Jeffrey W. (2007). A phylogenetic analysis of the arachnid orders based on morphological characters. doi:10.1111/J.1096-3642.2007.00284.X .
- ^ 高島春雄「南方諸地域に於ける脚鬚目概説」『Acta Arachnologica』第10巻 1-2号、東亜蜘蛛学会、1947年、32-50頁。
- ^ 吉倉真「サソリモドキの発生」『Acta Arachnologica』第17巻 2号、東亜蜘蛛学会、1961年、19-24頁。