肝蛭症
原因
編集肝蛭(Fasciola hepatica)、巨大肝蛭(Fasciola gigantica)の感染を原因とする。日本では日本産肝蛭(Fasciola sp.)が分布する。肝蛭とは厳密にはFasciola hepaticaを指すが、前記の3つを合わせた用語として用いられる事が多い。中間宿主はヒメモノアラガイあるいはコシガタモノアラガイであり、終宿主は反芻類、ブタ、ヒト。
疫学
編集症状
編集- ヒト
- 感染初期では発熱、右上腹部痛、圧痛を伴う肝腫大、発咳、好酸球増多、肝機能異常。慢性期では不規則な発熱、貧血、好酸球増多、腹痛、消化不良、下痢、黄疸、体重減少がみられる。
- 動物(感受性は羊、牛、豚の順に高い)
- 羊では体重減少、腹水貯留、好酸球増多、貧血、肝機能障害がみられる。
診断
編集虫卵の検出(渡辺法、時計皿法、昭和式肝蛭卵簡易検査法、ビーズ法、ホルマリン・エーテル法)、皮内反応、免疫電気泳動法、オクタロニー法。
治療
編集予防
編集水辺の野草や羊、牛、豚の肝臓の生食を避ける。家畜での予防は肝蛭症の発生のある牧野では駆虫薬を投与する。
関連項目
編集参考文献
編集- 高島郁夫、熊谷進編 『獣医公衆衛生学第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4830031980
- 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(2)蠕虫 他』 講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4061537172